以下のような重力の問題について
二人の人が話し合っています。


問題。
斜面で球が転がり落ちる様子を観察しました。
下の図は転がし始め、転がし始めてから1秒後、転がし始めてから2秒後の
位置をそれぞれ表しています。



それぞれの位置において、球に働く重力の大きさはどのようになるか
次の選択肢から選びなさい。

1.だんだん大きくなる
2.だんだん小さくなる
3.変化しない





説明。
重力とは重さのことです。
体重計ではかるやつです。

重力は高さ(標高)によって変わりません。フグ
実際、ビルの 何階で体重をはかっても同じでしょう。

フグ
万有引力の式F=GMm/rrを見れば、本当は変わるけど、
普通の斜面では変わらないと思ってよい。




反論。
静止している状態なら、重さ(重力)が変化しないのはわかる。
でも、問題では球が加速している状態での重力を効いている。
速さが変われば、重力も変わるのではないか。
実際、静かに体重計に乗った時と
飛び乗った時では針の振れ方が違う。


応答。
重力は“重さ”である。
重さは、その人や物体がどんな運動をしていようが変わらない。
体重計に飛び乗ると、針が一瞬大きく振れるのは、
勢いがあるからであって、重さが大きくなったからではない。

勢いは高校物理で出てくる“運動量”のことであるが、
詳しく知らなくても、ようするに、
勢いよくぶつかられたら、ふっ飛ばされるが、
これは、ぶつかってきたやつの速さを自分がもらったと考えられる。

飛び乗られた体重計の針は、飛び乗ったやつの速さをもらって、
自分も速さを持ち、動いた。

体重計に飛び乗ったときの針の動きは、
・重力による針の位置の変化(静かに押される)
・飛び乗ったやつの速さをもらって動く(勢いの伝達)
の二つが組み合わさって出来ている。

勢いの伝達は一瞬のことなので、そのうち
針についているバネの力で押し戻され、
体重計のバネの力と乗った人の体重がつりあったところで
正しい体重を指す。



反論。
結局体重計では静止した時の重力しか測れないことになる。
それでは、速さがあるときの重力をはかれていないので、
速さがあるときも本当に、重力が変化しないのかわからない。

また、勢いと力(重力など)は区別できるものだろうか。
勢いも力も同じものなのでは?



応答。
力というものは、そもそも
F=maという関係からわかるように、加速度によって生まれる。
飛び乗るとき人が受けている力は、重力だけなので、
その人の加速度は重力加速度に等しい。

重力加速度はどこでも一定だから
この人が受ける力もどこでも一定である。



反論。
中学理科の問題なので、運動方程式とか加速度とかで
説明していいのか。
それと、その説明は循環論法になっていないか。






力と運動量の関係についてはもう少し考えないといけません。



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((追記))

その後、考えてみましたが・・・


まず、問題を整理しておくと

1.物体の速さによって、その物体にかかる重力は変化するのではないか?
  根拠として、体重計に飛び乗った瞬間と、静止してからとで
  体重計の針の振れ幅が違う、ことが挙げられる。

2.力と運動量を使ってこのことを説明できるか。
  もし説明できるなら、中学生にもわかるように説明できるか。


1.についてまず、体重計に飛び乗る状況を、モデルで表してみます。
  そのために高校物理で考えます。



上の図1は飛び乗った時のモデルです。
体重計をバネだと思って、針をばねの縮みで表します。
左は、飛び上がって最高点に達した瞬間、
右は、針がめいっぱいまで触れた瞬間です。

図2は静かに乗って力がつりあった状態です。


赤玉(人間)の質量をm、バネ定数をk、重力加速度をgとします。

このモデルをみると、
普通は、運動量保存則ではなく、力学的エネルギー保存則を使いますね。
運動量は中学ではでてきませんが、力学的エネルギー保存則は中学校でも
出てくるので、エネルギーを使うことにしましょう。

しかし、
重力が一定でないとすると、重力加速度gは一定でないことになります。

等加速度でない運動です。

厄介ですね。