あけましておめでとうございます。
センターも近いですが、
あまり気にせずいつも通り?でいきます。。
複素数の0というと、
0+0i
です。
i の項を省略して、単に「0」とも書きますが、
複素数であるということを強調して書くと上のようになります。
単に「0」と書いてしまうと、そのままスルーですが、
「0+0i 」と書くと、ほかの形がないのか疑問に感じます。
つまり、
0を 0+0i 以外の a+bi で表せないか?
ということです。(zは複素数)
結論から言うと、
複素数の0は、0+0i 以外の形を持ちません。
これを目標に以下の話を進めていきましょう。
複素数の演習問題をやっていると、
実部および虚部を比較するという手法に出くわします。
たとえば、次のような問題で。
例題 x+2+yi=3-i を満たすx、yをすべて求めよ。
(解) 両辺の実部と虚部を比較して![]()
x+2=3, y=-1
よって、x=1,y=-1 (終)
類似物として、有理数の部分と無理数の部分を比較するというのがあります。
あるいは、恒等式の問題における係数比較もよく似ています。
これらに共通する概念を「一次独立」と呼びます。
ベクトルで出てくる一次独立と同じです。
上の例題でいうと、
「1と i は一次独立。」ということになります。
実際、「α+βi=0ならばα=β=0」なので、
ベクトルの一次独立と同じ条件を満たしています。
ここで、実部虚部比較はなぜ成り立つのでしょうか?
よく考えると、
「複素数をa+bi(a、bは実数)の形で表す仕方は一通りしかない」
ことに由来していることがわかります。
●x+2+yi=3-i のとき、
●x+2+yi と3-i は、同じ複素数を表している。
●複素数の表し方は一通りしかない。
●ゆえに、x+2=3, y=-1
という論法です。
実部および虚部を比較するという手法を通して、私たちは暗黙のうちに
「複素数をa+bi(a、bは実数)の形で表す仕方は一通りしかない」
ということを使っていたのです。
では、なぜ
「複素数をa+bi(a、bは実数)の形で表す仕方は一通りしかない」
のでしょうか?
証明を試みます。
が、実は、
代わりに、
「0は、0+0i の形にしか書けない」
を証明すれば十分です。
0を表す方法は一通り、ということさえ示せば、
どんな複素数でも、それを表す方法は一通り、
ということがわかるのです。
問題としてまとめておきましょう。
問題 0の表し方が一通りなら、どんな複素数も表し方は一通り。
(解) 複素数zが、z=a+bi およびz=c+di という二通りに表せたとする。
すると、a+bi=z=c+di だから、a+bi=c+di が成り立つ。
移項して、a-c+(b-d)i=0。
よって、a-c+(b-d)i は0であり、0の表し方は0+0i しかないので![]()
a-c=0,b-d=0。 (終)
「なぜ0+0i なんだ!?問題文では『一通りに表せる』と言ってるだけで
その一通りが0+0i とは限らないじゃないか!」と思った人は
細かいとこまでよく見ています。
が、その一通りは0+0i であることが以下のようにしてわかります。
●0+0i は0の表し方のひとつです。
●これは実数を複素数的に表すことを考えればわかります。
●よって、表し方がひとつ判明したので、
この表し方が、一通りだけあると言っていた表し方です。
というわけで、
0は0+0i の形しかない、という話に戻ってきました。
これを証明しましょう。
定理 0をa+bi(a、bは実数)の形で表す仕方は、0+0iに限られる。
(証明) まず準備として次の主張を示します。
主張 0の複素共役
は0。
a+biの複素共役を*a+bi*で表すことにする。
つまり、a-bi=*a+bi*
そうすると、主張は、*0*=0と書けます。
(主張の証明)
*0*=*0+0*=*0*+*0*=*0*+*0*
両辺から*0*を引くと、0=*0* (主張の証明終)
0=a+bi ・・・①(a、bは実数)と書けたとする。
0=*0* より、0=a-bi ・・・②
①+②より、0=2a ∴a=0
①-②より、0=2bi 両辺を2iで割って ∴b=0
よって、0=a+bi という形に書けたとすると、必ずa=b=0である。
(定理の証明終わり)
以上より、
0は一通りにしか表せないことがわかったとともに、
実部虚部比較が正当化されました。