集合の問題


fはどんな関数ハンバーガーでもいいとする。


     ハンバーガー高校ででてくる関数で。

       ガウス記号を使った関数とか、

       一つの式で表されていなくて、1点ごとや区間ごとに

       指定されている関数もあり。


A,Bを集合とするとき、次の等式は成り立つか?


f(A∪B)=f(A)∪f(B)ぶどう

f(A∩B)=f(A)∩f(B)


    ぶどうf(A)みたいな「関数(集合)」という記号は、

      Aの元をfで写したものの集合を表しています。つまり、

         f(A)={y|y=f(x),x∈A}

      です。一種の省略記号みたいなもんですね。



あるいは、次は成り立つか?


f(CA)=Cf(A)チョコレート


    チョコレートCAは「Aの補集合」の意味です。

      ここでは、添え字とか肩つき文字は書きにくいですが、

      大きくするのは、割りと使えるので(見やすいし。)

      積極的に利用します。

      Cf(A)はもちろん「f(A)の補集合」です。

      「fの補集合のA」とかではありません。

      あと、右肩にちっちゃく書く代わりに、

      前にでっかく書くのは筆者のオリジナルではありません。



この問題の解答は、(少なくとも今回は)書きません。

代わりに、以下では、集合の問題一般を解くとき生じる、

「図を使っていいのか問題」を考えます。


集合の問題は、慣れないと、

何をすれば証明できたことになるのかわからないという事態に陥ります。

絵(ベン図)を書いたら証明になるのか?とかとか。


ベン図に限らず(たとえば幾何の問題でも)、図だけで証明にするには、

その図ですべての場合が表されていないといけません。馬


   馬またはすべての場合を尽くすように、

     複数の図を書かないといけません。(つまり場合分けをする)


たとえば、

   C(A∩B)=CA∪CB

を証明することを考えます。
Accademia Nuts

まずC(A∩B)ですが、上図中央の緑で塗ってある部分がA∩Bなので、

C(A∩B)は、緑でない部分すべてということになります。

次に、CA∪CBですが、CAは黒円の外で、CBは青円の外なので・・・

想像力を働かせるか、自分で絵を描いて塗ってみると、

緑以外の部分であることがわかります。


これで、ベン図を書いた本人は、等式が正しいことを確信しました。

あとは、他の人にも、その確信が伝わるように、証明を書けばOK。


今のベン図だけで(つまり、式変形などを使わずに)証明を書くとしましょう。


この図ですべての場合を表していればOKですが、

そもそも、なぜすべての場合を表していなければならないのか。


ある特殊な場合しか表していない図では説得力に欠けることがあるからです。



説得力に欠けるとは具体的にどういうことかと言うと、

たとえば、次の4集合の問題は、説得力のない図が書きやすいので、

ちょっと見てみましょう。


A,B,C(でっかくないC!),およびD を集合として、


   (A∪B)∩(C∪D)=(A∩C)∪(A∩D)∪(B∩C)∪(B∩D)バナナ


が成り立つことを証明します。

    バナナ「式が長くてよくわからん。」という人は、

      ∪を+に、∩を×に変えてみましょう~

         (A+B)×(C+D)=A×C+A×D+B×C+B×D

      小学校からお馴染みの簡単な式ではないか!

      集合の式でも雰囲気は、数の式とよく似ています。




Accademia Nuts
というベン図を書いて、


作業その1 <
左辺(A∪B)∩(C∪D)について>

A∪Bを、C∪Dを

A∪B と C∪D が被ってるところを、で塗ると

Accademia Nuts
となる。メガネ

部が(A∪B)∩(C∪D)。


    メガネABでひとかたまり(2原子分子!?)、

      そして、CDでひとかたまり、と思って遠くから見ると、

      なんか立体的に見えるかも。。(ムダ話です。すみません。)


作業その2<(A∩C)∪(A∩D)∪(B∩C)∪(B∩D)>

A∩Cを、A∩Dを、重なってるとこをで塗る(下図)。
Accademia Nuts

B∩Cを、B∩Dを、重なってるとこを(下図)。
Accademia Nuts
上の2図で塗ってあるところをを合わせると、

(A∩C)∪(A∩D)∪(B∩C)∪(B∩D)になりますが、

これは、さっき塗った(A∪B)∩(C∪D)と一致します。

よって、(A∩C)∪(A∩D)∪(B∩C)∪(B∩D)=(A∪B)∩(C∪D)。(証明おわり)


いうのでは、不十分です。

もとのベン図を見直してみましょう。



Accademia Nuts


これは、集合A,B,C,Dの関係をすべて表した図とはいえません。

どんな場合が抜けているのでしょうか?


よく見ると、「AとDに含まれるが、CとDには含まれない」という場合が抜けています。

実際、この図では、

AとDに含まれる部分=A∩Dは、C∪Dの中にすっぽり入ってしまっています。


だから、この図で説明しても説得力に欠ける(というか、論理的にダメ)な訳です。クマノミ


    クマノミどんな図なら、すべての場合を考慮できるのでしょうか。

     4集合の図は、教科書にはあまり出てきませんが、

     ものの本には奇妙な図が書いて載っていたりします。

     ちなみに、上図では、

     「AとDに含まれるが、CとDには含まれない」場合以外にも

     考慮できていない「場合」があります。



、話は2集合の問題


   C(A∩B)=CA∪CB


に戻ります。

4集合のときは、すべての場合を表す図を書くのは、

ちょっと大変なのですが、

3集合までなら容易です。教科書によくでてくる標準的な図を書けばOK。

Accademia Nuts

もすべての場合を考慮した図になっています。


これが、すべての場合を表していると確信をもっていえるでしょうか?

あるいは、証明できるでしょうか。


「場合の数」の問題のように数え上げをやればわかります。

つまり、以下の表を作ります。
Accademia Nuts
これによって、

すべての場合=(Aに含まれ、Bに含まれる),

           (Aに含まれ、Bに含まれない),

           (Aに含まれず、Bに含まれる),

           (Aに含まれず、Bに含まれない)

に対して、図の中に対応箇所があるので、

すべての場合を考慮した図であると言えるわけです。


しかし、ここで

「A∪Bが表の中にないけど、いいのか?」

と疑問に思った人はいないでしょうか。


たしかに、すべての場合と言うからには、

A∪Bも表の中に現れないと、表が不完全な気がします。


しかし、表はこれで完全です。

なぜかというと、

すべての場合というのは

集合の演算結果のすべてという意味ではなく、

「集合の元(または要素)のすべての状態」と言う意味だからです。


集合の元の状態とは何かというと、

含まれているか、含まれていないか、です。カメ


   カメそもそも、

     集合を考えることは、含まれているか、含まれていないか、を考えることであり、

     含まれているか、含まれていないか、を考えることは、集合を考えることです。

     

     ですから、集合の問題とは、根本に帰れば、

     元の状態(含まれているか、いないか)の問題であり、

     従って、元の状態さえ考えれば、他に考えることはありません。

     よって、A∪Bが表になくても問題はないのです。



今、A、Bという2集合に対して、話をしていました。

元の状態として考えられるは、表にでてくる、


   場合① Aに含まれ、Bに含まれる

   場合② Aに含まれ、Bに含まれない

   場合③ Aに含まれず、Bに含まれる

   場合④ Aに含まれず、Bに含まれない


で尽くされます。

そういうわけで、表はあれでOKとなります。





最後にベン図の反転を考えて今回の記事を終わります。

最初のほうで、想像力を働かせた部分を例にやってみましょう。


つまり、


   C(A∩B)=CA∪CB


で右辺CA∪CBのベン図を書く、という場面でした。

Accademia Nuts

x∈CA∪CB  なるxが動ける範囲をしりたいわけです。
しかし、この図のままでは、CA、CBを考えるのはちょっと大変。ねこへび


    ねこへび本来なら、ドモルガンの法則を使うか、頭の中で済ますのがよさそうですが、

      ここでは、ベン図のまま続けます。


図を書き変えまず。

反転みたいなことをして、CA、CB基準の図にしたい。

ベン図を球面に書いてみます。宇宙人
Accademia Nuts
    宇宙人反転させようと思ったら、平面より球面のほうが考え安やすそうだったので。

      平面(長方形)だと、CAには穴が開いてしまい、

      丸(=基準!)にすることができないのです。



↓以下非立体的な図で説明します。

  ごちゃごちゃ文章も書いてますが、図をヒントに自分で考えたほうがわかりやすいかも。

  最終的に、CAとCBが丸でかければOK!


Accademia Nuts

まず、上図の「見本」を見てください。さっき立体的な図と同じものです。

CA基準で考えたいので、とりあえずCAを青で塗りました。

さらに、CAのうち、Bと重なっているところには、*をつけて区別します。

白い部分は、CAの外、つまりCCA=Aです。

白い部分も二つの区分があるので、片方に*をつけて区別します。

これから、白い部分が背景になるようにベン図を変形します。


上図「第一段階」を見てください。

とりあえず、CAを書きます。基準だから丸でかきます。

CAの色は青なので、青で塗っておきます。


青のなかにも、区別ありました。*部分を書き足します(第二段階)。


次に、白*を書き足します。

白のうち、青*に接しないところにあるので、上図第三段階のようになります。


これで完成ですが、最後にCBがどこか確認しておきましょう。

第四段階を見てください。

CBは、見本より、青(*なし)と白*を合わせたものなので、このようになります。


よって、CA、CB基準のベン図になりました。

CA∪CBというのは、青と白*を合わせたものだと、一目でわかります。

わかったところで、もとの図に戻ると・・・

Accademia Nuts

おっと、もとの図には*がついてなかった・・・

ので、見本を見ると・・・


Accademia Nuts

青∪(白*)が C(A∩B)であることは一目瞭然です。

よって、
   C(A∩B)=CA∪CB



以上、ベン図の反転は、面白さ重視で取り上げただけで、

“試験で使えるより良い解法”ではありません。

使うなら、なぜその変形をしていいのかを書かないといけないでしょう。

なぜその変形が正しいかを書くには、

文章で長々書くか、x∈・・・の式で説明するかなので、

あえてベン図を反転させる利点はありません。


なぜ、こんな変形をして正しい答えが得られるかというと、

変形によって、集合の包含関係が変化していないからです。

   集合を考える=含まれる、含まれないを考える

なので、すべての包含関係が保たれさえすれば、どんな変形をしても大丈夫です。


平面の代わりに球面にベン図を書いてもいいかということも検討の余地があります。

平面と球面の違いは、

平面でまっすぐ進めば、無限のかなたに行ってしまうのに、

球面ではまっすぐ進んでも、もとのところに帰ってきてしまうことがある

ということでしょう。

つまり、球面は閉じているのです。

この違いは、平面を球面にするにあたって、平面のヘリをくっつけないといけない、

という事実において、あらわになります。

平面のヘリは、現実世界ではくっつけることはできないので、

頭のなかでくっつけるわけですが、

そうすると、くっつけかたはいろいろなものが考えられます。

例を、2種類下図に書いておきます。


Accademia Nuts


しかし、今のようなベン図の変形に関しては、

「くっつけかたいろいろ現象」は、問題になりません。

平面のヘリをどのようにくっつけても、包含関係は変化しないからです。

集合AやBが平面のヘリと交わっているときは、

もうちょっと、検討しないといけませんが、

うまいくっつけ方をすればたぶん大丈夫なのではないか?

どっちにしろ、ベン図と言うからには、AとかBは丸で、ヘリとは交わっていないので、ペンギン

一点化や、貼り合わせがおこるのは、C(A∪B)内であり、

一つの集合の中で一点にしたり、貼り合わせたりしても、

包含関係に影響しないのは当たり前です。


   ペンギンベン図の定義を知らないので、

     もしかしたらヘリと交わっているベン図もあるかもしれない。

     でも、そんなベン図は見たことがないし、

     あったとしても、ヘリと交わらない図に(平面のままで)変形できるのでは

     ないだろうか?