内積に意味を与えようという運動は
以前からなされてきました。
ここでは、最近出てきた一つの見方を紹介します。
まず、面ベクトルとも呼ぶべきものを考えます。![]()
それは、ある面(面積が∞ではない平面がよい)に付随するベクトルで、
大きさはその面の面積、向きはその面と垂直な方向とします。
たとえば、
机の上に、底辺の長さが2、高さが3の平行四辺形があるとすると、
その平行四辺形の面ベクトルは、
大きさが6で、向きが机に垂直なベクトルです。
「面ベクトル」と聞いて、矢印の代わりに面なのか!と思った人がいたら
すみませんでした。名前のわりに夢のないベクトルです。
さて、
上の平行四辺形(Sと呼ぶことにします)を面の一つ
として持つ
平行六面体
があったとします。
平行四辺形Sと向かい合う面との距離を5とします。
言いかえれば、Sを底面と考えたとき、この平行六面体の高さが5ということです。
平行六面体というもは、直方体をゆがめた図形で、
どういう風に歪んでいるかというと、
『すべての面は平行四辺形で、向かい合う面が平行』
という風に歪んでいます。
一つといっても、平行六面体の向かい合う面は、合同になるので、
一つ持てば、必然的に、二つ持つことになります。
もちろん、4つとか、6つのこともありえます。3つ、5つはありえません。
平行六面体の辺(稜といったほうがいいのか)で、
底面Sから生えているものの一つを選んで、vとします。
大きさが辺vの長さと等しく、向きが辺vと同じ方向であるベクトルをvとします
また、平行四辺形Sの面ベクトルをSとします。
すると、この平行六面体の体積は、
S・v
で表されます。(「・」はもちろん内積。)
というわけで、
体積=底面×高さ
という公式のベクトル版のようなものが得られるのです。
体積は、ベクトルでなくスカラーで出てしますので、
ベクトルばかりでないですけどね。
高さを使わずとも、辺のままで体積が出てくるのは、内積のcosの影響です。
この例のおかげで、
内積のcosの意味がわかったような気がしないでもありません。
今回は、平行六面体を使いましたが、円柱をゆがましたやつ(直円柱ではない円柱)
でも大丈夫です。底面の形はなんでもいいのです。
また、3次元から、2次元に下がっても、
同様のことが言えるはずです。
面積=底辺ベクトル・辺ベクトル
というように。