石谷茂
『新しい演習方式 行列と行列式で楽しむ』
昭和49年
現代数学社
を読んでいます。
といっても、今日読み始めたうえに、
明日以降読むかもわかりません。
とりあえず、‘行列’の本で、パッと見が面白そう
だったので借りてきました。
「ヘロンの公式を行列式で証明する」という章があって、
それに釣られてね・・・
「行列と行列式」の本というと、経験上、
たいてい内容は線型代数の教科書と同じ、ですが
この本は、その‘まえがき’にも書いてますが、
ちょっと独特な視点から書かれてるようです。
はじめに、行列の掛け算の話がきます。
「行列の掛け算はやりかたを覚えるだけで大変」
とか言いながら、図形の伸縮に着目して、
徐々に、行列の掛け算の意味を明かしていきます。
“徐々に”というのは、
“成分1個ずつ”ということです。
つまり、一般の行列に行く前に、虫食い行列からはじめ、
↑成分のいくつかが0の行列のこと。
虫食いの位置でグループ分けした、そのグループごとに、解説が行われます。
たとえば、
グループ① (a 0
0 b)
グループ② (0 a
b 0)
みたいな。
“虫食い行列”という愛称は、筆者が今考えただけですが、
本の中では、「伸ばし行列」「ずらし行列」といった愛称が登場し、
グループの名前になっています。
誤植が大変多いのが気になりますが、
図書館の本ゆえ、
誤植を訂正するという大義名分の下の落書きも
気になりますが、
いい本だと思います。
用語や記号はあまり説明がなく、行列や行列式を一通り知っている人向け
のような気がしますが、機会があったら是非どうぞ。
パッと見た感じ、
線型代数に不可欠な「基底」とか「一次独立」といった概念は出てこないようですが、
行列式で平行四辺形の面積が出ることなどは、既知としています。
昔のカリキュラムに合わせてあるのでしょう。
昭和49年ですからね。
― 計算用紙 ―
64 89
49 84
― 計算用紙おわり ―
1984年です。1984年に高校生だった人は・・・
なかなか昔です。
ちなみに、この本は
「新しい演習方式」
というシリーズだそうですが、
これは、教科書の章のはじめにガイダンス
が
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例① 「三角比」の章のガイダンスの例(人類の歴史系)
⇒ 古代エジプトではピラミッドの高さを測るために、云々。
例② 「集合と論理」の章のガイダンス(ちょっと無茶をしても数学者を出したい系)
→ イギリスの数学者ジョージ・ブールは論理を代数化し、云々。
例③ 「積分」の章のガイダンス(前に習ったことを使う系)
→ 私たちは前章で微分法を学んだ。ここでは、微分の逆演算が面積と関係して、云々。
書かれているように、
「演習のひとつひとつにもガイダンスをつければ、
問題を解く方もやる気が出るんじゃないか」
という作戦を実践すべく作られた本だそうです。
【つづく】