「AB=-BA ベクトル 証明」

という検索ワードでAccademia Nutsに来られたかたがいました。


この検索ワードは少なくとも2通りに読めます。



1°A、Bをそれぞれ点として、→AB=-→BA

  (→は本来ABやBAの上にあるべきところを、例によって、

   ここでは書けないので、左側に書いています。)


2°A、Bをベクトルとして、A×B=-B×A

  (ただし、×は外積。)



の2通りです。

しかし、2°は高校数学の範囲を超えているし、

外積を使う人、したがって、外積の定義を知っている人ならば、

容易に証明できると思われるので、ここでは、

2°ではなく、1°の方だと思うことにします。



教科書(ただし筆者が高校のとき使っていたの)を見てみると、

ベクトルの章の最初に

「ベクトルとは向きをもった線分のことです(ベクトルの定義)...云々」

と書いてあって、その次に、


「ベクトル→aと大きさが等しく向きが反対のベクトルを

→aの逆ベクトルといい、-→aで表す。」イカリマーク


と書いてあります。

つまり、ここで、

『大きさが同じで向きが反対のベクトルを

もとのベクトルの「逆ベクトル」と呼ぶことにしよう。

そして、逆ベクトルはもとのベクトルに「-」をつけて表すことにしよう。』

と約束したわけです。



  イカリマークこの「」はその上の「」と違って、完全に引用ですが、

    数学的定義を述べているだけであり、ほかの本でも似たようなことが

    書いてあるので、出典は省略します。



この約束に基づいて、→AB=-→BA を証明します。


まず、

→ABとは、2点A,Bを結ぶ線分で、向きとして「AからBの向き」を

もっているもののことです。

また、

→BAとは、2点A,Bを結ぶ線分で、向きとして「BからAの向き」を

もっているもののことです。


次に、

→BAの逆ベクトルとはなんであったかというと、

「→BAと大きさ同じで向きが反対のもの」ということになります。

青字の→aに→BAを当てはめて考えればよい。)


ということは、→ABは、→BAの逆ベクトルです。

大きさは線分ABの長さであり、向きは反対だからです。


一方、

青字によれば、逆ベクトルは、-をつけて表すので

→ABのことを、-→BAと書きます。フグ


ゆえに、

→AB=-→BA

です。                   (証明おわり)




いまいち、ピンとこなかった場合は、

-→BAというのは、→BAの逆ベクトルなるものに付けられたラベル(名前)であり

(「-→BA」で1つの記号であって)、

図系的な意味は特にないんだと思って

(「AからBへ向かう矢印・・・」などの図形的意味は一旦わきにおいて)、

フグのところからもう一度考えて見てください。



→BAの逆ベクトルが具体的になんなのかわからなくても、

とりあえず、逆ベクトルを表す記号(名前、ラベル)を決めておくと便利なので、

-→BAと書く事にしよう。

と青字で約束しました。未知数をとりあえずxとおくことに似ています。


→BAの逆ベクトルとしては、具体的には→ABというものがあります。

これは具体的に点A,Bという図形を考えることにしたため、わかったことです。


すると、

→ABは逆ベクトルですから、「とりあえず-→BAと呼んでいたもの」と一致し、

→AB=-→BAと書けるわけです。




~ ~ ~



ちなみに、


→AB=-→BA は、上のようにして証明できますが、

→a=-→a は証明できません。

    (青字の約束(定義)そのものだからです。)




今回は、「具体的なもの」と「具体的にはわからないのでとりあえず付ける名前」

という根本的なところが要点だったので

わかりにくい説明になってしまったかもしれません。すみません。