今年の京大の入試問題(理系数学フグ)を解いて見た。

そのうち、6問目が面白かったので、自分の答案を書く。

新聞に載ってたのを解いたときのそのままを写すと以下のようになる。

(但し文字は多少変えてある。文中Eは本来E1、KはO1であった。

l(エル)もこの見にくいのでлに変えた。キリル文字のエルです。)

          ↑まったく困ったもんだ!


   フグ甲乙はなくなったのか?



(解)

A,B,Cの外接円Eをとる

           →

Eの中心をKとし、KDクマノミを考える。

点Kを通り、円Eに垂直な直線をлとする。

лとDを含む平面をαとする。

平面αと円Eの共有点の1つをPとすると、

線分PDの垂直2等分線mは平面α上にあるので、

mとлには交点があり、それをOとする。

すると、円E上の任意の点Tに対し、TO=DO

∴OA=OB=OC=OD

よって、中心O、半径ODの球面が

存在し、これは四面体ABCDに外接する。 //


   クマノミもちろん、答案にクマノミを書いたわけではない。

     渦中の人が「→KD」という表記をしていたらしいですが、

     これは割合いい書き方ですね。

     この記事の書き方じゃぁ、矢印が離れすぎでわかりにくい。



ということですが、一読しただけでは、なんのことかわからないのでは

ないでしょうか?

自分でもよく考えないと理解できない(思い出せない)ところがありましたよ!

筆者は入試を受けたのではないので、若干適当に書いてるところもありますが、

会場で緊張して時間もなければこんなもんでしょう。

こんな答案を山ほど採点する人は大変です。



では、もっとわかりやすく行きましょう。


その前に、肝心の問題を忘れていました。


 空間内に四面体ABCDを考える。このとき、4つの頂点A,B,C,Dを同時に

 通る球面が存在することを示せ。


でした。



では改めて、


(わかりやすく行くバージョン)

短い文章で、数式が出てこないというのは、すばらしい!

示すべき状況も、ボールの中に三角錐がに(グラグラせず)きちっと入っている

というもので、容易に想像できます。

このような問題は、ベクトルや座標幾何学を使って、腕力(計算力)で解くよりも

論理を使って、ともするとほとんど日本語だけで解けると思われます。

(もちろん、そうでない問題もあるでしょうが、京大の入試問題であることも考慮すれば、

計算づくでなく解けると“期待”するのはまともだと思います。)


状況が想像しやすいのは、状況がきれいだからということもあります。

きれいということは、すでに教科書に載っている場合もあります。

次元を一つ下げた場合は、高校の授業で習っているはずです。


つまり、

 (6問目2次元バージョン)

 平面上に三角形ABCを考える。このとき、3つの頂点A,B,Cを同時に

 通る円が存在することを示せ。

という問題は知っている訳です。要するに、外心です。

上の答案を書いたときに考えたのは、外心の存在証明の次元を一つ上げて

解答にならないか、ということです。

できるだけ計算せず論理だけで考えたところ、


(証)

任意の三角形に対して、それがすっぽり入るくらい大きな球面を用意する。宇宙人

球面の内部で(はみ出ないように)三角形を動かしていくと、三角形はいつかは、球面に触れる。

全部の頂点が触れるところまで動かす。

そしたら、三角形を含む面で球面を切断します。

球面の切り口は円になり、それが三角形の外接円になり、その中心が外心です。(終)


   宇宙人「どんな三角形でも入る、とてつもなく巨大な球面を用意する」というよりは、

     「なんでもいいので三角形を選ぶ。その三角形が入る大きさの球面を用意する」

     というつもりで書いています。ε‐δ論法じみています・・・


計算をせず論理だけで行きましたが、今になって思うと、

「球面内で三角形を動かせば3頂点が触れるところがある」というのは

自明なのか心配になってきました。

というのは、ここが問題の核心だからです。(6問目2次元バージョンそのままです)

まぁ、でも今はいいでしょう。

結局、そのやり方では、次元を一つ上げると、4次元球面に四面体を入れて、

四面体を含む空間で(!)4次元球面を切断することになるので、もはや「論理で・・・」

とか言ってられません。


そこで、違う方法を考えたのが、上述の答案です。

前置き長すぎですね。。



(わかりやすいバージョン改) 


  (参照しなくてもわかるように書きますが、一応答案を再載します↓)

   (解)

   A,B,Cの外接円Eをとる

   Eの中心をKとし、→KDを考える。

   点Kを通り、円Eに垂直な直線をлとする。

   лとDを含む平面をαとする。

   平面αと円Eの共有点の1つをPとすると、

   線分PDの垂直2等分線mは平面α上にあるので、

   mとлには交点があり、それをOとする。

   すると、円E上の任意の点Tに対し、TO=DO

   ∴OA=OB=OC=OD

   よって、中心O、半径ODの球面が

   存在し、これは四面体ABCDに外接する。 //


軸となるアイデアは、まず四面体の底面△ABCだけを固定し、

「Dは動かしていいよ」とすることで、任意の四面体に対応しようとするものです。


まず、任意に三角形ABCをとってくる。その外接円をEとします(中心K)。

中心Kを通り円Eに垂直な直線лを考えるます(下図)。


          Accademia Nuts
目標は、四面体ABCDの外接球です。4点A,B,C,Dから等距離の点をみつければ、

それが外接球の中心となり問題は解けたも同然です。(目標の点をOとします。)

Oは、上図の垂線л上にあるはずです。

なぜなら、3点A,B,Cから等距離である点をすべて集めてくると、直線лになるからです。

式(記号?)で言うと、

   「л上の任意の点Lに対して、LA=LB=LC」 かつ

   「л上にない、任意の点L’に対して、L’A≠L’B または L’B≠L’C または L’C≠L’A


次に点Dですがこれはどこにあってもよいです。(三角形ABCと同一の平面上以外。)

適当にこの辺にしときましょう。(下図)



Accademia Nuts

答案中で「→KDを考える」と書いておきながら、全然使っていませんが、

答案に書いてしまったのは、上の図が念頭にあったからです。

Kから出た矢印(オレンジ色)が伸び縮みしたり方向を変えたりすることで点Dが

任意に動くというイメージです。

点Dと三角形ABCは同じ平面に収まらないので考えづらい。

立体は考えづらい。よって、平面にします。

→KDと直線лを含む平面をαとします。しし座


   しし座これはイメージ。実際は、「→KD」ではなく、「線分KD」とかにすべき。

     ベクトルでは、平行移動してлとねじれの位置に持ってくることもできてしまう。


平面αの(発想の)出どころは、上図を上から見た図です。(下図)


Accademia Nuts

ちょいと見にくいですが、さっきの図を真上から見た図です。

三角形ABCは省略されています。真上から見ているので平面αは線にしか見えません。

平面αと円E(おっと上図では「E」の字を書き忘れ)の共有点の一つをPとします。

(共有点は2つあり、もう一つはP’です。)

線分DPの垂直2等分線をmとすると、m上の任意の点は点Dと点Pから等距離です。(下図)


Accademia Nuts
記号で書けば、

 直線m上の任意の点Mに対し、DM=PM

上の方でも似たようなことをやりました。赤字で書いてます。

これらの条件をつなげようというわけです。

答案では不十分な書き方になってますが、mは平面α上に取ることにします。

すると、лとmは同一の平面α上にあり、しかも平行でないので、必ず交わります。

交点をOとします。(目標である外接球の中心がこの時点で出てきます)


以下、Oが外接球の中心になっているか検証します。


Oはлとmの交点なので、Oはл上にあり、かつ、m上にあります。

л上にあることより、OA=OB=OCです。(うえ~の方の赤字と同じこと)

m上にあることより、OD=OPです。(すぐ上の赤字)


ところで、再び「л上にあること」に注目すれば、OP=OAです。(うえ~の赤字と同じ議論)


従って、OA=OB=OC=ODがいえました。

よって、Oは四面体ABCDの外接球の中心である。

中心O、半径OAである球面は(もちろん)存在し、これが問題できかれている球面です。□




やっと終わりました。








ところで、新聞に載っていた答えを見てみると、(駿台の解答でしたが)

三角形ABCから等距離な点の集合として垂線лを出してくるところまでは一緒でしたが、

それに加えて、2点D,Aから等距離な点の集合として面(!)を考え、

лと面の交点を外接円の中心としていました。

図形として直線であろうと面であろうと、「~から等距離な集合」という概念に集中して

すっきり解いていました。

筆者の答案では、垂直2等分“線”を使ってしまったために回り道してしまったようです。

垂直2等分面に気付かなかったのは、平面幾何のやりすぎでしょうか?