位置ベクトルの極座標的性格
ベクトルとは、向きと大きさのある量のことです。
位置とは、あるものが自分以外のものに対して持つ空間的関係です。
言葉の意味がわからないときは、定義を確認しましょう。
上のベクトルの定義は数Bででてくるものです。
位置の定義は今筆者が作りました。
位置とは、ものがある場所のことですが、
どこにあるのかを言おうとすると、そのものと、他に目印になるのもが要ります。
例えば、鉛筆の位置を言うとき、
「鉛筆がある」
と言うだけでは、位置をいったことにはなりません。
鉛筆が存在することを言っただけです。
「鉛筆が机の上にある」
というように、鉛筆の他に机にも言及しなければなりません。
このように、位置とは、他のものと比べてどうかという性質なのです。
ただ、この性質は空間的なものに限定すべきでしょう。
単に「他のものと比べてどうか」では、
料理のおいしさや、背の高さなども「位置」になってしまいそうです。![]()
もし、ならないなら、不当に「位置」になってしまう例を探してみてください。
筆者は、良い例が思い浮かびません。
位置ベクトルで言うところの位置は、点の位置です。
ふつう、机役には原点を使います。
すべての点は原点に比べてどういう性質をもつかによって、
その位置を表現されているのです。
簡単な例は、数直線です。
数直線上の点の位置は、「原点との距離」という性質により、identify
されています。
identify:その人がだれであるかを確定する
xy平面では、少し複雑です。原点からの距離だけではidentifyされません。
つまり、原点からの距離が同じ人(点)が何人もいて、
「この人!」と特定できないのです。
そこで、座標が導入されます。x軸、y軸を張って、
x軸方向にいくつ、y軸方向にいくつ進んだところ
という性質でidentifyします。
そうなると、原点にx軸とy軸も含めて机なのかな。
こうして考えてみると、数直線は軸が1本しかない場合なんだ
と気づきます。このことから、
平面を超えて空間(立体)では、位置は軸3本で表せるのではないか
軸の本数は次元と一致しているんじゃないか
4次元の住人をidentifyするには、4本軸がいるんじゃないか・・・
と連想が進んでいきます。
話は2次元に戻って、
平面上での位置を表すにはxy座標の他にrθ座標なるものがあります。
またの名を極座標とおっしゃいます。(というかrθ座標なんて言い方は誤解を招くから普通しない)
極座標でもやはり原点を机にします。そして、軸の代わりに
原点から半直線を伸ばし固定します。(原点が固定されてるのは暗黙の了解)
原点+半直線 で机です。
位置を決めるためにまず、原点からの距離を測ります。これをrとします。
これだけでは、identifyできないので
さきほどの半直線から反時計回りに何radの方角にあるか測ります。これをθとします。
こうして、rとθによって位置が決定されるのです。
これも座標ですので(r,θ)
と書きたいのですが、これは誤解を招く。
原点からx軸方向にr、y軸方向にθだけ進んだ位置と誤解される。
これは、rθ座標といって誤解を招く理由でもあります。
そこで、Accademia Nutsでは極座標を〈r,θ〉ととんがり括弧で書いて区別することにします。
「北西の方向にイノシシがいるぞ」
と言えば、自分を原点にして、自分と北極を結ぶ方向に半直線をとった極座標です。
「烏丸四条に集合だ」
とか、
「四5歩」
とかなら、xy座標です。
極座標で、平面上の位置が表せるということは
距離(r)と向き(θ)によって、平面上の位置が表せることになります。
すると、ベクトルはまさに位置を表すのに使えるとわかります。距離は大きさですから。
ベクトルの成分表示なるものを知っている人は、
ベクトルは成分表示の観点からはxy座標と関係ありそうなのに
定義では極座標なんだなと変に思うかもしません。
しかし、こういう事態は当然です。というのも、
xy座標にせよ、極座標にせよ平面の位置を表すという点では同じなのですから。
ところで、極座標では原点のことを極と言います。
極を軸にして(座標軸ではなく支点という意味で)、動径をぶん回しているイメージですね。
灯台か、レーダーみたいだ。