皆さんは「加法定理」と聞いて何を思いますか。


 sin(α+β)=sinαcosβ+cosαsinβ

 cos(α+β)=cosαcosβ-sinαsinβ


でしょうか?

この三角関数の加法定理はまず出てきますよネ。

もうひとつ出てくるでしょうか。



・・・確率の加法定理です。


 事象A、Bが互いに排反であるとき

  P(AUB)=P(A)+P(B)


当たり前に使うので、もはや定理であるとか意識しませんが、

教科書(少なくとも数研の数A/010)には載っています。



三角加法定理は、昔東大の入試で「証明しろ」というのが出たそうです。

高校の頃先生がcosの方だけ頑張って証明してくださった覚えがあります。

筆者自身でやったときはそう簡単には解けませんでした。


では、「確率の加法定理を証明しろ」って言われたらどうでしょう。

三角よりはずっと簡単そうですが、こういう当たり前っぽい所を穿つのがAccademia Nutsの

目的ですので、証明します。


ですがその前に、

入試関連で、センターの話を。

今年もセンターが近づいてきました。

高校数学の集大成とはなりませんが、センターは重要でしょう。

去年のセンター(数ⅠA)を解いたときに確率で危うく引っかかりそうになったのですが、

確率の基本を思い出すことで復活することができました。

確率で行き詰ったら、基本に帰ると解決するかもしれません。

確率の基本とは


 P(A)=(事象Aの起こる場合の数)÷(起こりうるすべての場合の数)


です。「確率わからんなぁ」と思って図書館をさまよっていると、ラプラスの「確率の哲学的試論」が目に留まりました。その最初の方にこの基本が書いてあって、なんか重要そうに思えたのでした。

教科書に書いてあると、「なんだ小学校から知ってるよ」と思っちゃいますが、なんか岩波文庫とかに書いてあると有難い気がします。あんまりいいことではないけれど。。


それで、改めて基本の大切さを実感したものの、問題を解くヒントにはならないまま

数年が経過し、去年のセンターになったわけです。

まあ、確率はすべてここに集約されるのです。そもそもこれが確率の定義ですから。



で、加法定理です。

皆さん、センター話の間に証明はできたでしょうか?
ともかくも、証明します。


簡単のため、

 (起こりうるすべての場合の数)=n(U)

と書く。

確率の基本(というか定義)より

 P(AUB)=(AUBの起こる場合の数÷n(U)

今、AとBは排反であるから

 (AUBの起こる場合の数)=(Aの起こる場合の数)+(Bの起こる場合の数)

よって、

 P(AUB)=(Aの起こる場合の数)÷n(U)+(Bの起こる場合の数)÷n(U)

右辺の各項に確率の定義を適用して

 P(AUB)=P(A)+P(B)                         (おわり)


当たり前のように使っている加法定理ですが、バッチリ

確率の定義に裏打ちされているのでした。


掛け算の方の定理も良かったら証明してみましょう。

つまり、

 互いに影響しないの試行S,Tを行うとき、

 Sでは事象Aが起こり、Tでは事象Bが起こるという事象をCとすると

  P(C)=P(A)P(B)

を証明してみましょう!


上はほぼ数研数A/010の写しですが、「独立な試行の確率」という名前だそうです。

「乗法定理」とは言わないんですネ。なんでだろ?