∞の計算は、
いろいろ変な現象が起こります。
まずは足し算...
(1) ∞+a=∞ (aは任意の実数)
(2) ∞+∞=∞
∞とは限りなく大きい状態である。
∞は数ではない。
(1)なら
x→∞のとき x+a→∞
ということである。
つまり、
「x+aがいくらでも大きくなる」ということであって、「x+aが『∞という数』に近づく」ということではない。
(1)の意味は
xがいくらでも大きくなるなら、x+aもいくらでも大きくなる、ということである。
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箱さんと和十さんの会話を見てみましょう。
箱 じゃあ、aとしてものすごく小さく数(たとえばa=-1000000000000000=マイナス千兆)を選べば、
aによって相殺されて、x+aは∞よりは小さくなるはずだ。
和十 それが正しいとすると、x→∞のときx-1も∞より小さいことになる。
箱 いや、aがものすごく小さいときの話だよ。a=-1なら∞でいいよ。
和十 ものすごくって、どのくらいからがものすごくなんだよ!
箱 そう言われるとつらいな・・・
和十 わからないときは定義に戻るべし。
∞とはいくらでも大きくなる状態のことであった。
x→∞ とは x>任意の実数 となることだ。
箱 x+a>任意の実数+a (aは任意の実数) だ。
任意の実数+任意の実数=任意の実数 だから、x+a>任意の実数 となり、
∞の定義より、x+a→∞ だ!
和十 何をやってるんだ!不等式はイメージとして使っただけだ。両辺にaを加えてているが、
そんなことができるのか、わしは知らんぞ。なにしろ、∞の計算なのだから。
そんなことより、大事なのは、任意の実数より大きいということだ。
xは実数かな。
箱 もし実数だったら・・・
和十 x>任意の実数 は見方を変えれば、どんな実数もxより小さいということ。
xが実数なら、xはxより小さいことになる。
箱 これは矛盾である。よって、xは実数にあらず。
虚数か?
和十 実数でないなら、虚数・・・ この考え方は、数は最大限広げると複素数までしかないという点から正しい。
しかし、この論理はxが数であることが前提だ。xは限りなく大きいという「状態」だ。
箱 状態とかよくわからん。ほんとに虚数じゃないのか論証するべきだ。
和十 詳しい証明は後日やるが、虚数に大小はない。大きさが比べられないのだ。
箱 状態だって大きさはないはずだ。
和十 確かに。しかし、x→∞はxがどこまでも大きくなる状態なのだ。つまり、大きくなるのはxであって、
状態はその様子を記述するに過ぎない。
箱 ∞がそういう意味で「状態」なら、x→∞ではなく、
∞
x → 限りなく大きい数
みたいに、∞は様子を示していることがはっきりはかるようにするべきだ。
x→∞だと、xと∞が同等みたいだ。xも∞も数みたいだ。∞はむしろ→と同等だ。
和十 右辺の「限りなく大きい数」は数か。
箱 そう、数だ。
和十 上で長々とやってきた議論で、x>任意の実数 のときxは実数でも、虚数でもないと結論した。
「限りなく大きい数」とはこのときのxであろう。
ゆえに、「限りなく大きい数」は実数でも虚数でもない。
箱 じゃあ、∞は新しい数か?
和十 違う。xがなにかの数になるわけじゃない。
あっ! xは実数になると考えてもいい!
ただし、xは時と場合に応じて変化するのだ。xは後出しジャンケンみたいに、相手によって
変わる。そういう流動的な点で普通の数ではないのだ。そうすれば、矛盾は生じない。
x→∞とは、x>任意の普通の実数a である。
a=xとはできない。xはふらふら動く特殊な数であり、普通の数ではないからだ。
後出し実数x>実数a
をaにいろいろな実数を代入して観察してみよう。
a=100ならx=1000、あるいはx=101でもいいしx=863とかでもいい。
しかし、a=1000なら、x=1001など・・・a=10000ならx=10001など・・・
箱 いつでもaより少し大きくなれるなんて、xは憎たらしい。
aを任意の実数にすれば、aを10000、100000、1000000、・・・としていってもxはいつもaより大きい。
和十 今日はこれが限界だ。勉強を続ければもっとよい考え方を思いつくかもしれない。
箱 なぜ間違いなのか考えるうちにいい考えに当たることはよくあるからね。