インド洋南東部のディアマンティナ断裂帯で約530万年前から連なるクジラの墓場が見つかり、詳細が科学誌ネイチャーに6月10日付で発表された。約1200kmの範囲の深海に476匹の化石化した鯨類の遺骸が眠っていた。
「全球超深海帯探査計画」(GHEP)を進める中国科学院の深海科学・工程研究所は有人潜水艇「奮闘者号」で6789mの深海で世界最深・最古の鯨骨生物群集(ホエール・フォール)を発見し、サンプル回収した。化石化していたのは多くがアカボウクジラ類で、鉱物に富む頭骨の吻部が鉄マンガンに覆われて化石化していた。また、海底に鯨の死骸が落ちていく現在進行中のプロセスを5つ確認し、この深さでもホエール・フォール生態系が成立していると証明した。深海の古生物探索の上でも意義深く、シーラカンス級ともいう。
嘴があるアカボウクジラは謎の多い鯨類であり、餌を求めて潜水する。だが、3000m程度が限界で、より深くだと水圧にやられて海底に「ネクロポリス」をつくる。研究チームは未知の絶滅種を最低でも1種確認したとも報告している。