〈インフォメーション〉この作品は精神病患者、ミュージシャン、宗教の一般論ではなく、一人の人物に特定した特殊論です。誤解にご注意ください。
オーメン(第119回を見てね)の症状を見て俺はね、覚醒剤が切れた時と同じだと思って、アゾォにオーメンの仕事を聞いたら、ミュージシャンだって。宗教もやってるって。オーメンは覚醒剤を使ってるか聞いたんだけど、考えたことも無いみたいで、知らないって(予知能力者って細かい事は分からない)。オーメンの症状は覚醒剤の反動の確率が高い。オーメンの立場なら覚醒剤を手に入れられるしね。俺はアゾォにオーメンと関わるなって言ったんだけど、できないって言うのね。理由を聞いたら「ない」って。「オマエはアイツに騙されてる」って教えてやったら「それは絶対にない」って。根拠を聞いたら「私にはわかる」って。「アイツが怯えてるんはホンマや。でもそれ以外は全部芝居やぞ」って教えてやったんだけど、「そんな事はない」って。根拠を聞いたら「ない」って。「アイツは自分も騙してるからそう思えるんや。アイツは嘘の天才や。そう言う奴の嘘は神様でも見抜けん。関わったらロクな事にならんぞ」って言ったら「そんな話を聞くためにアンタを呼んだんちゃう。あの子を助けて欲しいねん」ってアゾォが言った時にまた「えーかげんにせえ!このババア!人の話きけ!」って怒鳴ったんだけど、俺が一時期、アゾォに怒声と罵声を浴びせてたのはオーメンの事があったからなのね。©洪 経世