二次選考会場はホテルでした。

大半はスーツでしたが、私はスーツのジャケットがピアノを弾くときに邪魔だなと思ったので、七分袖のブラウスの上に同じくらいの袖のセーターという格好で挑みました。

おそらく体育系の職だと思いますが、ジャージの人も1人見かけました。

 

控え室の席順はほぼ受験番号順ですが、技術面接時に演奏の試験がある音楽は、人物面接の後に会場の移動があるとのことで最前列に揃えられてました。

グループ面接になる職種もあるようですが、基本的には個人面接で人物・技術ともに1人15分でした。

 

音楽はお昼に一斉に会場を移動するので個人面接が朝早い時間に割り振られてました。

移動や昼食休憩があったとはいえ、個人面接を10:30に終え技術面接が16:00からという5時間半待ちはとんでもなくヒマでした。

待ち時間は隣の席の人とお話しする気満々で本などは持って行かなかったのですが、まさかの隣の人お休みで、午前中は本当にヒマでした。

せっかく音楽の人は一箇所にまとめられていたのに、(私)(欠席)(通路)(他の音楽の人達→)の並びで、どう頑張っても席を立たないと声をかけられないほど遠かったので、諦めました。

 

移動先の技術面接会場は、今回の秋募集で音楽の説明会をやっていたのと同じ幡ヶ谷のJICAで、体育館のようなところでの試験でした。

この建物に移動してからの控え室は、椅子も机もテキトーに使ってねっぽい空間だったので、午前中誰とも話せなかった分タイヤ付きの椅子を部屋中乗り回して話しまくりました。

音楽は9人来ていて、これくらいの人数の音楽家集団だと作曲の人は1人も居ないくらいが普通なのですが、私の他にももう1人作曲専攻で音大を出てる人が居て、盛り上がりました。

出身校も私と同じ音大を出ている人が2人も居たりして、やっぱり音楽の世界って狭いよねーなんて話しをしつつ過ごしました。

 

 

受験者の雰囲気はそんな感じです。

ここからは、実際の面接で聞かれたことを書きます。

 

 

★人物面接★

 

志望動機を2分で

今仕事順調そうだが2年間仕事を離れて良いのか

途上国の経験はあるか

(ないと答えたので)先進国の経験ならあるか

(あると答えたので)コミュニケーションは問題なく取れたか

派遣後、異文化人とコミュニケーションは取れるか

(できると答えたので)その根拠は

派遣後に現地の人と意見が合わなかったらどうするか

知らない人と共同生活できるか

その経験やエピソードはあるか

音楽指導の経験は

応募するにあたってやったことはあるか

説明会に参加してどう思ったか

家族に反対されなかったか

ボランティアの経験は

個人事業主の作曲家とのことで1人作業が多そうだが他人とチームで物事に取り組めるか

他のNPOなどと違って政府の機関なので自分の納得のいってないことでもやらなければならない場合があるが大丈夫か

帰国後の予定は

協力隊の経験は生かせそうか

 

 

★技術面接★

 

参加できない派遣隊次はあるか

一次の書類提出後に新たに取った資格はあるか

第一希望しか書いてないが他の国に派遣になった場合でも行くか

教員免許は持ってないのか

音楽指導の経験は

教えることを楽しいと感じられるか

学生の間は教員免許取るつもりはなかったのか

第二第三をあえて書かなかった理由は

モルディブ以外の要請も読んで希望を書いたのか

モルディブの国に関してどんなことを調べたか

モルディブはイスラム教の国で西洋の音楽に抵抗がある人が多いが音楽をやりたくないという人が居たらどう対応するか

中高時代に吹奏楽や合唱の経験はあるか

(合唱はあると答えたので)パートリーダーなどの経験はあるか

(ないと答えたので)指揮の経験はあるか

ミュージカル指導経験があるとのことだが教室は自分で主催してるのか

(してないと答えたので)どれくらい任されているのか

子供は多様で指導するのは難しくないか

直接指導するのは具体的には歌のみか

ミュージカルの作曲もやってるのか

クラシックだけでなくゲーム音楽やポップスをやっているようだが今日古典を弾いた理由は

専門家として指導に行くのとボランティアで行くことの違いは

(現地の人と同じものを食べて同じ生活をして同じ目線で活動するのがボランティアですよね、と最後に言われた)

 

 

人物面接の方は気持ちがバタバタしてたので記憶から抜けてるものがあるかもしれませんが、技術面接の方は完全にこれで全部です。

技術面接は一番最後だったので他の受験者全員分の感想を仕入れてますがみんな同じような感じっぽかったです。

 

人物面接に関しては情報がいくらでも出てくるので、レア職音楽の技術面接という私が半年間探してもなかなか得られなかった情報について詳しく言及していこうと思います。

 

 

まずやはり、一次の書類にも資格無しと書いているのに改めて教員免許はないのか&取ろうと思わなかったのかを聞かれましたね。

ちなみに控え室でリサーチしたところ、他の音楽の人はだいたいみんな持ってました。しかも現役の学校の音楽の先生も居ました。

音楽の要請22中17は教員免許が必要なものだったので、まあ当然と言えば当然でしょうし、そもそも世の中的にも音大卒の人は教員免許を持ってる人の方が圧倒的に多いんです。

過去の出来事は変えようがないので、正直に、「学生の頃はプロの作曲家になることしか考えてなかったので取りませんでした」と言いました。

実際に作曲家やってるし辻褄は合ってるのでそんなに深くは突っ込まれませんでした。

しかし「現地の音楽の先生に指導する要請は教員免許ないと厳しそうですね」とはっきり言われました。笑

モルディブも正確には講師の指導も含まれてるのですが…。

というか、講師への指導が全く必要ないところから音楽の要請が出てくることってありえないと思うんですよ。

指導できる人が居ないから要請が来るわけで、指導者への指導が必要ないなら国内の人員だけで十分音楽教育できるってことですからね。

 

えーっとつまり…

面接官からのコメントを深読みすると技術不足で不合格という可能性が顔を出しました…。^^;

 

どちらかというと、人気の要請を希望してると他の要請を打診されるのが協力隊面接あるあるで、今回の面接でも私と同じモルディブ希望の子で他のを打診されたという人居ました。

私は資格が要らない5つの要請のうち語学レベルもクリアしてる4つの中のどれかにしかならないはずなので、もし合格するならモルディブになる可能性は高いかなと思いますが、「厳しそうですね」と言われて反論&アピールすべきところをうっかり「そうかもしれませんね」と同意してしまったので、次回また面接を受ける機会があったら反論できるようにしておきたいです。

 

 

第二第三希望は、書こうかどうか最後まで悩んでたんです。

秋募集の要請一覧が公開になった日に、音楽の要請は全部読み、「作曲」の文字があったのがモルディブだけで「これだ!!!」と思い、その他の要請には特に何も思わなかったのでその初心のままモルディブだけ書くことにしました。

協力隊応募を検討しだした5月の時点の春募集要請一覧にも「作曲」が含まれてる要請はなかったので「作曲」の文字が輝いて見えたのです。

「ボランティアの持つ特技(歌唱、楽器演奏、作曲、ダンス等)をいかした活動ができれば、尚よい」と活動内容の最後にひっそりと書かれていただけでしたが、それでもこれ以外に考えられなかったんです。

奇跡的にほかの歌唱、楽器演奏、ダンスと、メインの活動内容にあったピアノ全て経験があり、なにより教員免許がなくても大丈夫という、いわゆる運命の出会いというものを感じていました。

 

私はミュージカルの経験があるので、ミュージカルの指導が含まれるエチオピアの要請を第二希望に書こうかはしばらく悩んでました。

10月のある日、作曲家の先輩とランチしながら協力隊応募することをカミングアウトしてこのことを話したら、「エチオピアにはどれくらい行きたい?ダントツでモルディブの方に行きたいんだったら行ってから後悔しないためにもモルディブだけ希望書いたら良いんじゃないかな。2年も居ることになるんだし」とアドバイスをもらい、なるほどなーと思ってそのままそうしました。

 

モルディブ1本に絞ったことでアピールすべき内容もかなり明確になったので、一次の書類も的を射たことが書けたと思います。

年末に会ってきた協力隊OBの人に書類を見てもらった時も、これなら第一志望しか書いてない理由が納得出来ると言ってもらえました。

 

なので第一しか書いてない理由もきちんと伝わったと思います。

 

 

長々と第一志望について語ってしまいましたが、どちらかというとそのことよりも多分、希望してないところに派遣が決まっても行くかどうかの意思の方が大事です。

自分ではここが適していると思っててもJICAスタッフというプロ目線から見て違う要請の方が良さそうであればその判断に従った方がお互いハッピーな結果が得られると思います。

今後協力隊を応募する方も、希望してないところでも行くと答えることをお勧めします。まだ合格してない人が言うのもあれですが。orz

 

 

教員免許は持ってませんが、指導の経験がたまたまあったのは救いで、書類にミュージカル教室で幼稚園生〜中学生を指導した経験があると書いたことをだいぶ掘り下げて聞かれました。

歌唱とダンスがモルディブの要請の中に作曲と同列に出てきていたので、そのあたりが全部できることをアピールしました。

いろいろやってる話をしたら面接官にも「楽しそうですね」と言われてミュージカルの話は終わりました。笑

 

 

実技の演奏では、ソナタ1曲だけを弾きました。

4〜7分程度という指定のみで選曲は本当に悩みました。

控え室でもみんな何を基準に選曲したら良いかわからなさすぎて困ったと話していました。

2曲演奏した人が2人と、歌とピアノ1曲ずつ準備して状況を見ながらどっちにしようか決めようと思って来たという人が1人いました。

 

私は、自分の中で一番弾ける曲が音大受験の時に弾いたベートーベンのピアノソナタ1番(1楽章のみ)なのでそこは確定として、4分に満たないのでどうしようかなという感じでした。

最初はソナタの他に自作曲を作る気でいたのですが、どういう曲にしたら良いのかとピアノにすべきか歌にすべきかで悩みすぎてしまい、他の要請に歌とピアノの要請がいくつあったかを全部読み直して数え直したり、面接で自分がアピールするポイントと合ったジャンルの曲にすべきかと思って先に面接対策を固め始めたりしてしまい、そうこうしてる間に2週間ほど経ってしまいました。

ふと、繰り返し記号を飛ばすということをしなければ4分越せるのではないかと気づき時間を計ってみたところ、ジャスト4分。

ああ、もう、この1曲だけで良いか。と、散々考えた挙句この結論に達してしまい、ソナタだけ弾くことにしました。

 

そして案の定、「ゲーム音楽とかやってるみたいなのに思いっきり古典弾いてたね」と突っ込まれてしまったので、「選曲はどうしようかとても悩んだのですが要請内容がクラシック音楽だったのであえて古典を弾きました」と切り返しておきました。納得はしてもらえたと思いますが、次また受けることがあったら自作曲も持ってきます。orz

 

 

ピアノはまさかのアップライトです。

体育館のステージの上に壁にくっついて配置してあり、響きません。

しかも下手側を向いていて、普段と違う角度で見られる違和感がかなりありました。

そして寒いです。

管楽器を演奏した人達は音程下がりまくってやばかったと言ってました。

控え室では音を出しても良くて、楽器持参の人と歌の人はいろいろ鳴らしてました。

 

それから、私はなかったですが、ソナタ弾いてて再現部に入ったら止められたという人も居ました。

時間オーバーしてるわけではなくても止められることがあるみたいです。

実力を見切ったということでしょうか。

前半繰り返してる上にばっちり再現部もあるこてこてのソナタを弾いてるのにも関わらず私は最後まで止められなかったことの意味を少し考えてしまいます。

実力がボーダーだったのかな…。怪しいな……>_<

演奏に関してだけは付け焼き刃ではどうにもならないので、今回の9人の中での偏差値は40くらいの実力しかないんじゃないかなという予感がします。

他の人の演奏聴いてないのでわかりませんが。

演奏能力と指導力はイコールではありませんが、それにしたって教員免許も持ってないし、定員割れしてなければ不合格になりそうだとも思うのですが、

 

不思議なことにあんまりこれまでの高校や大学の受験の時ほど試験後特有の不安がなく、8割くらい受かってる気がしています。

根拠のない自信が湧くような性格ではないのですが、なんでしょうね。

定員割れしてることと準備には十分時間をかけることができたことが良い心理作用を起こしてるのかもしれません。

 

 

そんな感じの二次試験でした。

 

二次が終わったらやろうと思ってたことが山ほどあるので、ぼちぼち取り組もうと思います。

 

もし合格して2018年度1次隊派遣になった場合、合格発表から派遣前訓練まで1ヶ月半しかありません。

特にモルディブは1次隊か3次隊と書いてあったので、隊次どこでもOKで出してることもあり1次隊になる可能性が高いと思ってます。

合宿があるとはいえ、英会話の勉強に熱を入れつつ日本についての知識を蓄えることなどの準備を進めようと思います。

 

という合格する前提の思考でずっと行動してたから落ちる気がしないのかもしれないですね。

もし落ちたら精神的ダメージ大きそう怖い^^;