本日もブログ『Ω…建築萬紀行…Ω』のアーカイブをお届けします。

 

 

 

 

 

 2009/1/6 

 

№941_映画『トウキョウソナタ』

 

 

2009年の一発目、映画『トウキョウソナタ』を観ました。

もう20年以上昔になるけど、学生時代のように映画雑誌レビューを見、数少ない友人やラジオの細かい情報をキャッチした上で、見たい映画を決めていたころが懐かしく感じられる映画でした。
そうして観に行った映画は、私の鑑賞する力が及ばなかったのか、大きく外れることが多かったような気がする。そして、いつしか映画評など当てにせず、ひとまず大ヒットしている映画やHaHa(妻)の推薦する映画を見るようになった。

いろいろ感じ入ったこととか、なんであーなってこうなったんだろうとか、あのシーンはあの伏線があったんだとか、見終わったあと、夫婦で語り合うのは楽しいもので、夫婦でもほんのちょっとしたズレのある感想はすごく新鮮だし、映画の奥深さを思い知らされる。

例えば、小泉今日子扮する普通の家庭の主婦が、アメリカの軍事協力隊(←正式名称は忘れましたが...)に参加するという息子がエアポートバスに乗り込み、息子が敬礼をする瞬間、なんとも言えない表情でただただ見送るシーン。きっとハリウッド映画ならあのような屈折した表情で見送ることはせず、むやみやたらに泣きじゃくって息子を見送るだろう。そしてその息子は戦死するに違いない。直球でしか表現することがなくなったハリウッド映画と言い切ると、ハリウッド映画ファンに怒られてしまうかもしれませんが、少なくとも戦地に向かう息子をあの低いテンションで送る演出は、今のハリウッドにないに違いない。

更に、免許取り立ての主婦がカーディーラーに、いかにもアットホームなワンボックスカーに心惹かれず、オープンカーの屋根が折りたたまれている様に見とれて、後に大変な災難の最中にでさえ、オープンカーの屋根を上げたり下ろしたりしてしまったり、でもそのシーンは死ぬか生きるかの狭間にあるにも関わらず、実にテンションが低い。
そう、この映画はすごくテンションが低いのだ。ローギア入れっぱなしで最後まで走る。途中、私は冷静にこの映画を見続け、感動すべき部分を見失ってしまったような気にさえなってしまった。

このローテンションな映画は、鋭く世相を予知するかのような、ある種のファンタジーな映像シーンが印象的であった。
職を失った人達のための炊き出しに並ぶスーツ姿の男達の列。正月早々のニュースで、急に職を失った非正規労働者が炊き出しの列に並んでいる映像をしばしば見る。ここ数ヶ月では見慣れた映像でも、きっとこの映画を作っている最中にはここまでの状況に至るとは思っていなかったに違いない。
炊き出しの列に並びながらも、実際にありそうでないと思う機能、携帯電話が一時間に4回自動的に着信が来るようにしているなど、サラリーマンのプライドを捨てきれない人達の切ないこと。

先ほど書いた息子のアメリカ軍事協力隊にしても、映画ではさも現実にありえそうな、淡々としたテンポで書かれているし、更に職安のあの避難階段に並ぶ人の列、ふと巡り会った主人公と同じ立場のリストラされた友人が、炊き出しか仕事斡旋の列にすっぽり収まって流れていくシーン、とてもファンタジーな映像だ。
今、思い出したが、職安で香川照之さんがいびられるシーンの後、炊き出しに並ぶシーンに切り替わった瞬間に聞こえる優しい女性の声、何て言っていたか忘れたけど、本来は苦しんでいる人々を助けるべき職安では、困っている人に冷たく、ボランティアで炊き出しで食べ物を提供しているボランティアの女性の声は暖かい。今の世相を表した声を感じた瞬間だった。


この映画『トウキョウソナタ』の黒沢清監督は、てっきり宮崎あおいさんも出演していた映画『EUREKA』の監督かと思い違いしていたが、Wikipedia調べでは、映画『EUREKA』は青山真治監督作品でした。
あれっ?なんで黒沢清監督の映画だと思ったんだろうとWikipediaの文面を追うと、その二つの映画に共通点が2点見つかった。
一つは映画『トウキョウソナタ』はカンヌ映画祭:「ある視点」部門受賞、映画『EUREKA』はカンヌ国際映画祭国際批評家連盟賞・エキュメニック賞、ベルギー王立フィルムアーカイブ・グランプリ受賞とあり、カンヌつながり。
もう一つは、双方の映画に役所広司さんが出演している。

まっ、それだけの共通点で同じ監督さんの作品だったかもって勘違いしながら見ていたのは恥ずかしい限りだが、私は映画をなんら予備知識なしで楽しみたいと思っていて、見終わったあとで、このように感想にもなっていないような健忘録を書きためておくことにしている。
冒頭に書いたけど、若い頃は映画の情報を得られるだけ得て、それで見に行くことにしていたが、今は見るまではせいぜい予告編を見る程度に留めて頭を空っぽにして見に行く。でも、もう少し予備知識をもってから映画鑑賞しようかと2009年は誓いたくなるような映画、そういう感想ってないんじゃい?って思うけど、まあそう感じたので仕方がない。

 

 

 

 

 

 

 2009/1/7 

 

№942_領域レンダリング

 

 

AutoCAD2009による領域レンダリング事例です。

 

 

照明を10箇所くらい設置しているので、時間がかなりかかりました。
部分だけのレンダリングなので、時間は短縮できるかと思ったんですが、
作業領域に含む全ての照明を考慮して計算するのでしょうか、随分待たされました。

その間に珈琲を一杯飲みほしました。

夕方4時半で室内照明を10箇所ほど入れると、外観レンダリングも1時間くらいかかりました。
これじゃあ、他の仕事できひんやん。

 

 

それにしても、ヤシの木が茂っているなんて、一体、どこやねん。(自己ツッコミ)

 

 

 

 

 

 

 2009/1/8 

 

№943_建築基本法?

 

 

私の事務所の設計スタッフとの会話。


設計スタッフ:「今度、建築基本法っていうのが施行されるらしい。何か知っていますか?」

私:「いや、初耳や。改正建築士法の話と違うん?」

設計スタッフ:「ちゃんと、ヤフーニュースに出ている。誤字かな?」

私:「そういやあ、切手でも連峰を連邦って脱字していたし、きっと勘違いだよ。こんだけ建築関連法案が変わっているのに、もう変わる訳ないやん。」

設計スタッフ:「でも、ちゃんと委員会みたいな所で準備しているみたいよ。」

私:「ホントか?じゃあ、後で検索してみるよ。」


っで、設計スタッフが帰宅したあと、ネットで検索してみると、確かに建築基本法というのが見つかった。
ちょっと読んでみようかと思ったが、目が疲れていたし、また後日にしようと思って今に至っている。
いったい、なんなんでしょう。建築基本法って?
建築基準法と建築士法が統合されるんかな?

まあ、暇になったら勉強してみます。

 

 

 

 

 

 2009/1/13 

 

№944_中之島線に乗ってみた

 

 

昨日の成人式、無駄に電車に乗って、京阪電鉄中之島線初乗り決行しました。

私の住む大山崎町の京阪電鉄最寄り駅は、橋本駅。直線距離にして約1キロ。
しか~しっ、その駅まで行くのは不可能。間に淀川があり、対岸に渡る橋がない。
と言うわけで、わざわざ祇園四条まで出て、京阪電車に乗り、中之島線に行きました。目的は、まっ、新しい中之島線に乗ること、そして安藤忠雄設計という”なにわ駅”を見ること。
地下鉄の駅舎の実施設計は数カ所で協力したことがあるので、ちょっと興味がありましたし、写真で見た印象ではダイナミックな吹抜空間が地下鉄の駅改札口で採用されたと言うことで実際に自分の目で体感してみたかった。
まずは阪急電車で終点河原町まで行き、京阪電鉄へ向かう途中の鴨川からの景色。

 

 

京都市内は澄んだ空気でしたが、とにかく寒い。
偶然、中之島線直通電車に乗り合わせたので、あとはそのまま目的地の”なにわ橋”まで行くだけ。しかし、長男のウッキーは先頭車両の前のガラスに張り付くので、私のそのまま京橋まで座らずに先頭に立っていました。
見るからに電車好きなお子さんがうちの子を含め、3人。他に電車好きなマニアの男性が二人。それに巻き込まれたお母さんや私など、総勢8人くらいが先頭も窓にへばりついているのは滑稽でしたが、車両は比較的空いていて、座ろうと思えばちらほら空席がありました。HaHaとビッキーはそそくさと座っていたらしい。

 

 

駅に着くやいなや、みんな冷えたのか安藤忠雄設計の便所へ直行!
コンコースの空間はとにかく地下鉄とは思えない広がりがあって、でも、祭日だったので人気がない。いつまでも改札口辺りをウロウロもしていられないので、そそくさと地上に出ることにした。その出口の雰囲気が幻想的。きっと安藤忠雄はこの空間に中之島の将来を描きたかったのかもと勝手に空想しながらエスカレータに乗った。

 

 

地上に出ると、思いがけず風が強く、たまたま目に入った公会堂の前で記念写真を撮って、さっさと梅田まで歩いて帰りました。
しかし、寒すぎ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 2009/1/14 

 

№945_昼夜レンダリング画像の比較

 

 

先日モデリングした建築パースの夕方と夜のレンダリング画像を作成しました。
照明が20個近く設定してあるので、レンダリング時間が1時間を超えます。
AutoCADのレンダリング時間、ホトホト長すぎてまいるが、本格的なCGソフトなしでもこれだけの画質ができるんだから、我慢、我慢。。。

 

 

夕方のレンダリングはプリセットされている”プレゼンテーション”という品質でレンダリングしましたが、お昼休みに仕事場へ戻ってきてもレンダリングしていたので、夜はプリセットの”中”で実行しました。それが↓

 

 

拡大すると、さすがにギザギザしていますが、まっ、よかよか。