厳しさは続く? | ゼネコン君

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某大手建設業社員のブログ

1月30日に 静岡県を中心に関東から近畿エリアにて78支店 木造注文住宅の設計施工・販売を行っていた 富士ハウス㈱ と 関係会社の日京㈱・㈱サニーの3社が自己破産
申請時の負債は、富士ハウスが約358億8500万円、日京が約274億6100万円、サニーが約4億6000万円で、3社合計で約638億600万円にも上っています
 破産の原因は 個人消費の伸び悩みや同業者との競合、改正建築基準法の施行などの影響による売上高の急激な落ち込み、そこに追い討ちをかけて金融情勢の悪化等から、資金繰りが急激に悪化し、 今回の措置となったようです

そしてこの状況を裏付けるようなデーターも 同30日に発表されています

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住宅着工戸数がさらに低迷、改正建基法の施行直後下回る

 景気後退の影響を受けて、住宅着工戸数が改正建築基準法の施行で落ち込んだときの水準さえも下回った。国土交通省が1月30日に発表した2008年12月の新設住宅着工戸数は、前年同月比5.8%減の8万2197戸だった。

 住宅着工戸数が前年同月比で減少したのは、08年6月以来、半年ぶりとなる。改正建基法の施行前である前々年同月との比較では23.8%減だった。

 08年の年間着工戸数は109万3485戸で、前年の106万741戸を3.1%上回った。前々年の着工戸数129万391戸と比べると、15.3%の減少だ。

ゼネコン君-20090202



建築着工統計調査報告(平成20年12月分)

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改正建築基準法の落ち込み時の水準より下回っているというデーターは 建設市場が 想像以上に急激に収縮しているあらわれでしょう
 このデーターをみると どうしても 建設業界のおかれている状況の厳しさを痛感します
そして 状況の厳しさ自体は否定することはできません

しかし、この状況に関して 少し異なった観点から見る事もできるのではないでしょうか

 景気後退の影響は世界経済とリンクしているので、新規着工数の減少も受け入れざるを得ないことなのですが ストックがフローを上回っているのはなにもここ1、2年の話ではありません これまで、政府・官庁、民間企業総てが、スクラップ&ビルドを推奨していました しかし既にストック時代と言われてもいるのも事実で、着工数が減っているのは当然の流れと理解すべきなのかも知れません
 確かに、一昨年6月の建築基準法改定や昨夏以降の不況の影響も少なくないのでしょうが、少子化が叫ばれ、世帯数の減少が現実味を帯びてきている状況下では、従来の右肩上がりの成長は期待できないのではないでしょうか  『永遠の右肩上がり』の成長は 米国に於いて『住宅の価格はずっと右肩上がりの成長をし続ける』という幻想に踊らされてサブプライムローンの破綻を引き起こした 現象と 同じ事のように思えます
 遅かれ早かれ住宅市場は 縮小の方向にあった そして その過渡期と世界金融不況とが重なったことによって 縮小への動きが増幅したと考える事もできるのではないでしょうか 
市場の縮小を事実として受け止める事によって 業界を取り巻く例の無い厳しい環境に対して ただ耐え忍ぶだけでは無く、他に出来る事・やらなければいけない事が 見えてくるような気がします

 数m先も見えない猛吹雪吹雪の中 一筋の光光が 見えるように・・・・・・・