ゼネコン君の仲間達 (専門工事業者編) | ゼネコン君

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某大手建設業社員のブログ

かなーり久しぶりですが 今回取り上げるのは  金物工事 です

金物と一言で言っても 色々なものがあります

「既製金物」「製作金物」 に大別できます

既製金物 というのは 商品として既に存在している金物 の工事
 身近なところで例を挙げれば カーテンレール・ピクチャーレール・新聞受け・物干し金物・換気レジスター・宅配ボックス・ノンスリップ(階段の段鼻のところについているやつ)・床点検口・グレーチング(側溝や排水溝などに敷いてある溝蓋みたいなやつ)など 

製作金物 というのは 既製品ではなく その建物毎にあわせて 作られる金物 の工事
 例えば、ビルなどの カーテンボックス・ブラインドボックス・金物手すり・建具の額縁 など 多種多様にあります

既製金物であれば 商品としてあるものを 取り付けるだけなので 商品+取付施工費=工事の値段はある程度 決まった金額になります

しかし 製作金物は、一品生産品で しかも 設計者との打ち合わせの中で、意匠的なこだわりの有無や取り付け方の難易により 製品のグレードがピンからキリまであり 値段に関しても それ相応に ピンからキリまであります
 手摺 を例にとって言えば 
   材質 スチール・ステンレス・アルミ
   仕上 スチール:錆び止め塗装(+塗装工事で塗装)・溶融亜鉛メッキ仕上げ
      ステンレス:HL(ヘアライン)仕上・鏡面仕上
      アルミ:工場焼付塗装・アルマイト仕上
   部材形状 FB(フラットバー)・丸パイプ・角パイプ・型材・各部材の組み合わせ
   手摺形状 手摺の高さ・手摺子(中桟)の数
   取付方法 埋め込み・持ち出し・ボルト固定・溶接固定
など 色々な選択肢があり、つまりは 製品の値段も 色々になります
製品のほかにも 施工条件によって工事の値段が変わることもあります
 延べm数で100mの手摺があったとします
 2mの手摺が50個あるのか 20mのものが5個あるのかによって 取付費がかわってきます

ピンきりのグレードの中から  設計者や時には 発注者との打ち合わせの中で ゼネコン君がうまく主導権を握って 要求される性能(機能面・意匠面など)を満足したものを いかに安く出来るかが ゼネコン君の腕の見せ所でもあります
時には 当初のものと 最終決定のものと まったく違っていたということも あります

蛇足ですが こんな風に 機能を満たし 価値を向上させる行為の事を VE といって 建設業ではよく行われることです
そしてこの VEという手段が ゼネコン君の利益&赤字の回復 の秘密の一つです

手摺一つで 色んな検討項目があるのですが、こんなものが 一つの建物で沢山あり、こういった構成要素の集合体として 一つの建物が出来ています


今度機会があったら 建物で使われている 金物 探してみてひよ下さい
たくさんありますよ~