ゼネコン君の仲間達 (専門工事業者編) | ゼネコン君

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某大手建設業社員のブログ

今回紹介するのは
「ECP(押出成形セメント板)工事」 です


セメント・けい酸質原料・繊維質原料等を主原料として、中空の板状(断面がハーモニカ状)に押出成形してオートクレーブ養生(高温高圧蒸気養生)したパネルです

以前紹介した ALCと作り方は似ているのですが、
ALCは中に鉄筋をいれ、発泡剤によりセメントの中に気泡を入れ込んで板状にするのに対して
ECPは鉄筋はなく、セメントを押し出し成形して板状にします

出来上がりの表面も
ALCはざらざらした感じですが
ECPはツルッとした感じです

ECPは (私の知る限り)
㈱ノザワ : 商品名 アスロック
三菱マテリアル建材㈱ : 商品名 メース
昭和電工建材㈱ : 商品名 ラムダ
の3メーカー の市場です

ECPは JIS規格があり、建物に使われるECP板はJIS規格品となります
板厚 50~100mm
板幅 450~1200mm
長さ 5000mm以下

昭和電工建材㈱の商品「ラムダ」は15mmや20mmなどの薄いECP板で 戸建住宅の外壁などでも使われています

ECPには
・フラットパネル(表面が平滑なスタンダードパネル)
・デザインパネル(表面にリブやエンボス加工などをした)
・タイルパネル(タイルを工場で張り付けたパネル、タイル張り用の溝加工したパネル)
・カラーパネル(予め工場塗装したパネル)
等があります

ECPの取り付け方は ALCと同様に アングル(山型鋼)等で下地となる骨を作り、Zクリップという専用の金物でECP板を取り付けます
板の使い方により 縦張り・横張り工法があります

工場で製造されたものを 工事現場で取り付けていくので施工性に優れ、工場でのプレカットにより廃材の発生も少なくて済みます

おそらく普通の方は、聞きなれない建材だと思います
ECPは鉄骨造の建物の外壁や間仕切壁、地下の外部周りの二重壁等によく使われています
なかなか見つけにくい建材ですが、結構色んなところに使用されている建材です