法隆寺所有の雑木林にて | ゼネコン君

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某大手建設業社員のブログ

昨日のニュースでまたスーパーゼネコンの名前が表に出る事件がありました

ニュースの内容は次のようなものでした

奈良県斑鳩町の法隆寺所有の雑木林に、建築廃材などが大量に投棄されていることが28日、奈良県の調査で分かった。廃棄物処理法違反の疑いがあり、奈良県は寺の土塀新築工事などを請け負っている竹中工務店(本社・大阪市)の現場責任者に、廃棄物の撤去と4月7日までに処理計画提出を求める指導書を渡した。建設廃材は奈良県が平成14年と16年に許可した土塀の建て替えと境内の子院・宗源寺の増築工事で出たもので、責任者が、同町内の下請け業者に投棄させたという。
 現場は、世界遺産や国史跡となっている旧境内区域外で、廃棄物は2カ所に投棄されていた。コンクリート片や建築廃材、残土など。
 竹中工務店は「一部は再利用する可能性もあるが、基本的には廃棄するものだ。県の指導に従い、速やかに処理計画書を提出したのち、撤去作業に入りたい」と話している


事件の経緯としては 法隆寺の管長が 廃材に交じった瓦などが不正に転売される可能性を憂慮し、寺地から廃材を出さないよう関係業者に厳しく指示していたため、直ちに処理することができず、結果的に建設廃材の不法投棄という事態になったようである
いくら廃材を出さないようにとの指示があったとしても、明らかに価値のない廃材類まで混じっていたようであり、雑木林中に野積みにされている状況で見るからに保存する為の物の置き方ではなかったようであり、竹中工務店側の現場責任者の認識不足であったように思われる
また、廃棄物処理法の観点からいっても、廃棄物の処理責任は 排出事業者(今回でいえば施工者である竹中工務店)に大きな責任があり、今回の工事に於いてだけこの廃棄物処理法が適用されないなんてことはありえない 普段の行っている工事どおりに産廃処理を行っていれば、このような事態にはならなかったのではないかと思います

法隆寺側の意向を尊重する為には、転売される可能性のあるものとそうでないものを実際に立会い確認して、本当に必要なものを残し、その保管の仕方も雑木林中に野積みではなく、他の方法があったのではないかと思う

施主である法隆寺側の意向を 施工者である竹中工務店の工事責任者が履き違えたことが今回の不法投棄という事態を招いたように思う
これが世界遺産の指定地域だったらと思うと ぞっとします