オシムジャパン、初陣を勝利で飾る!三都主が2得点の活躍 | 【サッカー日本代表】オシムジャパン情報局【W杯2010】

オシムジャパン、初陣を勝利で飾る!三都主が2得点の活躍

サッカーの国際親善試合、キリン・チャレンジカップは9日、東京・国立競技場で行われ、オシム新監督が初めて指揮を執る日本代表が、三都主(浦和)の2得点の活躍などで2-0でトリニダード・トバゴ代表に勝ち、ワールドカップ(W杯)ドイツ大会後最初の国際Aマッチを白星で飾った。


2010年W杯南アフリカ大会に向け、新しい顔触れが加わった日本は、ドイツ大会代表の三都主が前半17分にFKを直接けり込んで先制点を奪い、同22分にも絶妙のループシュートを決めた。先発で起用された初代表の闘莉王(浦和)らを中心とする守備も踏ん張り、トリニダード・トバゴを圧倒した。

日本代表は12日のJリーグのため、いったん解散し、16日に新潟スタジアムでイエメン代表とアジア・カップ予選を戦う。



★2010年への第一歩! うかがえた走るサッカー!



生まれ変わった日本代表の旗印となる「走るサッカー」の一端がうかがえたシーンだった。前半22分、鈴木が左サイドの駒野へパス。田中達と我那覇はそれぞれの動きでDFを引きつけ、三都主が長い距離をダッシュ。タイミングよく飛び出し、フリーで2点目を奪った。「相手をどう困らせようか考えている」と話していたオシム監督の言葉を実践できた攻撃だった。

後半33分は左からつなぎ、中村のミドルシュートに佐藤寿が詰めに行った。得点にはならなかったが、攻撃の枚数が多く、可能性を感じさせた。トリニダード・トバゴの運動量が少なく低調だったこともあるが、走り勝っていたのは確かだった。

幸先の良い快勝。しかし「オシム・サッカー」の浸透は、当然これからだ。この日が代表デビューとなったのは9人。特に前半は、ピッチ上で選手が話し合う姿が目立った。闘莉王が「理解度という面では難しいところがある」と話していた通り、手探り状態だった。

16日のイエメン戦には今回招集できなかった千葉やG大阪の選手が加わり、また顔触れも変わりそうだ。「オシム・ジャパン」は産声をあげたばかり。歴戦の知将の下で練習と経験を積み、成熟してゆけるか。4年後へ、長い道のりへの一歩を踏み出した。(山室)



◆日本・オシム監督

「最初としてはいいテンポでできた。走る力をもっているうちは非常にいい試合ができたし、3日間の練習で、ここまではできないだろうという水準のコンビプレーもできた。ただ、90分間走ることができない選手もいた。この試合で得たもっとも大事な教訓は走ることだ」





◆トリニダード・トバゴのレイスベルヘン監督

「前半は日本のペースについていくのが大変だったが、後半は何とかサッカーをすることができた。チームにとっていい経験だった」





◆日本サッカー協会・田嶋幸三専務理事

「最初の試合で、勝てたことはよかった。ただ、オシムさんのやりたいサッカーを何割できたかは分からない。2点を取って運動量が落ちた」





★三都主2発!引き出された闘争本能!



先発に初代表の選手が5人も起用されたオシム新監督の初戦で、指揮官に2点をささげたのはフィールドプレーヤー最年長の29歳・三都主だった。

前半17分にはゴールまで約25メートルの位置からFKを直接沈めた。得意の左足で大きくカーブをかけて決めた。5分後には中盤からゴール前まで長い距離を走って駒野のロングパスを受け、GKの頭越しに決めた。代表での1試合2得点は初めてだ。

 

今回の代表招集時には腹痛のため合流が遅れたが、いったん練習に加わると軽快な動きでチームをリード。合宿中は「4-4-2などのシステムは関係ない。相手を見て自分たちに合う形を探さなければならない」と語っていたように、本番では臨機応変なプレーでチームをけん引した。

ジーコ前監督の時代は左サイドバックなど守備的な位置に置かれていたが、本来はサイドアタッカー。1999年にはJリーグの最優秀選手にも選ばれた。この日は攻撃的MFとし、久々に本来のテクニックを存分に発揮した。眠っていた元ウイングの才能が、オシム監督に引き出されたといえそうだ。



*やはり本物の指揮官は違うと思わされた一戦だった。

短い期間ではあるが、基本的な戦略・戦術の両面において「チームの意思統一」がなされていたように見えた。

短い期間でよくここまで仕上げてきたと思う。


オシム監督が要求する事は、頭脳面でも体力面でも非常に高度な事ばかりなのであるが、選手たちはその要求にこたえようと必死だという事が伝わってきた。

そして、非常に良いスタートを切ったと思う。

これからがますます楽しみである。