メスティンでの料理を紹介しておりますが、本来メスティンはご飯を炊く飯盒という位置づけの調理器具です。 なので、今回はご飯を炊いてみましょう

ご飯を炊くには米を洗って水に浸水します。 メスティンで炊くという事は少量のお米を炊く事が多いと思いますので、普通のボールなどでは大きすぎて洗いにくいかと思います。

ここで、米を洗う事についてですが、以前は米を洗う事を「米を研ぐ」と、いっていました。 もちろん今でもそう言っている方も多いと思います。 米を研ぐ、米同士をシッカリとこすり合わせて表面を研磨します。 しかし、精米機の技術進歩により、今時売られている米は「研ぐ」というほどの作業は必要ないらしいです。 逆に力を入れ過ぎて米を割ったりすると「不味くなる」原因になります。

ちなみに、今時の料理本なら「米を洗う」と、表記されていると思います。 実際の作業も洗うという言葉通り、力を掛けすぎずに洗いますが、少量のお米を洗いやすくするには小さめのボールを使うと良いです。

下の写真は米を浸水するまで使っている道具です。 左からお米の量を計るスケール、ザル、取っ手付きのボールの取っ手を曲げてシェラカップに似せた物



このシェラカップに似せたボールこそ、とても使い勝手の良いボールです。 100円均一で購入した物ですが、薄いので軽く、自宅でミニボールとして使ったり、キャンプではボールや食器として活躍しています。 シェラカップとこの大型シェラカップもどきがあれば、殆どの食事の食器はこれで賄えてしまうほどです。 少なめの丼物やうどん、シチュー、豚汁などに最適なサイズです。

とても気に入ったので、余分に買い置きしています。 錆びにくいし壊れにくいので、一生分はキープできていると思います。

では、炊飯の手順に入ります。 メスティンでの炊爨は既定の最大量よりも2割程度少なめを上限に炊いた方が良いと思います。 なので通常サイズのメスティンなら1.5合を目安に、ラージメスティンなら3合以下がお奨めです。

1)米を量る
 少量炊くときほど誤差が出来上がりに響きやすいので、お米はデジタルスケールでキチンと計量しています。 ちなみに1人分だと炊きやすい分量で生米100gで炊く事が多いです。 我が家は夫婦2人なのでキャンプの時は1合=150g炊きます。 キャンプに行くときは事前に米を量って袋に入れて行ってます。


2)米を洗う
 1合程度ならザルの中に米を入れてボールカップを持って洗っています。 最初は水を入れて直ぐに水を捨てます。 ザルを持ち上げるだけで排水できるので楽です。 水を捨てたら優しく握るというか指でつまんで擦るようにお米を洗います。 何度か擦り合わせたら水を入れてかき混ぜ排水、初回のみそのまま水を入れてかき混ぜて排水と、最初は米の白い汁が沢山出るので、米に吸わせないために2度洗いします。

 以降、握り洗いと水を入れてかき混ぜ排水を4~5回繰り返します。 ある程度水が濁らなくなったら米洗い完了です

3)浸水
 暖かい時期なら30分、冬場なら40分~1時間程度 水につけておきます。 このときもザルごとボールカップに入れておきます。

4)ザル上げ
 水を捨てて、米の余分な水分を切ります。 排水してザルのままボールカップに置いておくだけです。 急ぐときは軽くザルを振って水切りします。 ざるとボールカップの間はそれなりに空いているので、水はその隙間に溜まります。 ほんと、便利なセットです。

5)メスティンに米と水を入れます
 水の分量ですが、メスティンはかなり水が吹きこぼれるのでやや多めがお奨めです。 炊きやすい分量として生米100gなら水160cc、米1合=150gなら230ccで炊いています。 自宅なら米をセットしたメスティンをデジタルスケールに乗せて風袋引きし、水を分量だけ入れています。 キャンプの時は計量カップやチタンシェラカップと大さじを使って計っていましたが、最近キャンプ用に携帯型のデジタルスケールを買ったので、次回からは楽に正確に計量できそうです。

6)炊飯
 私がメスティンやダッチオーブンでお米を炊くときは沸騰までの時間をはかり、沸騰後の炊飯時間を決めています。 どちらかというと、オコゲが出来るほど炊きません。 本来の炊きあがりよりも早めに火を止めて、蒸らしでお米に水分を吸わせる感じで炊いています。

 火加減は自宅のガスコンロなら中弱程度の弱めの火、アルコールバーナーなら火加減調節せず最大火力で炊いています。 ここでは普段炊く事の多いアルコールバーナーでの炊飯について書いています。 ちなみにアルコールバーナーの火力を落として炊いた事もありますが、どちらかというと全開火力の方が美味しいと思いますので、今は全開火力で炊飯しています。

●アルコールバーナーにほぼ満タンの燃料を入れて火をつけます。
●ボンッと最大火力で燃焼しだしたらメスティンを火にかけます。
●同時にストップウォッチで計測開始します。 これ大事!
●炊き始めは沸騰が判りやすいようにフタには重しを乗せません
●アウトドアでも暖かい時期なら5分、寒い時期なら10分程度で沸騰すると思います。 アウトドアでは気温と標高で沸騰時間が変わります。
●沸騰したらまずは重しを乗せます。

いつもこんな感じで米洗いに使ったボールカップに水を入れて乗せています。 中に水分が有るときは重しにしているボールカップの取っ手を触ると振動を感じます。 炊きあがると振動を感じなくなるので炊きあがり目安にもなります。



●沸騰までに掛かった時間をチェックし、炊きあげまでの時間を決めます。 詳細は以下の通り、あくまでトランギア アルコールバーナー全開火力での時間ですが、家庭のガスコンロでも中弱程度の弱めの火で最初から最後まで火力調節せずに炊けば同様の時間で大丈夫です。 どのような熱源でも途中で火力調節した場合は下記の時間は当てはまらなくなります。

沸騰までの時間:炊きあげ時間
5分:5分
6分:6分
7分:7分
8分以上:8分
火力調節している場合は最長10分を目安にすると良いと思います。

6)蒸らす
 時期や周辺温度にも寄りますが、蒸らすときはメスティンが熱しやすく冷めやすいアルミ素材なので、内側に銀マットのついたお弁当入れにいれて蒸らすと良いです。
蒸らし時間は最低10分、出来れば15分がお奨めです

7)混ぜる
 余分な水分を飛ばし、全体を均一なご飯に仕上げるべくスプーンやシャモジなどで上下を切るように混ぜます。

8)食べる
 これで、間違いなく美味しいご飯が炊きあがります。 暖かい内に美味しくいただきましょう!

 メスティンで炊いたご飯は少量で炊いたご飯と思えないほど美味しいです。 以前は丸飯ごうを使っていたのですが、1合とかそれよりも少ないと、あまり美味しいと思えなかったのですが、メスティンで炊いた少量ご飯はとても美味しいです。 なので丸飯ごうは一切使わなくなりました。 今では飯ごう炊爨はメスティンなしでは考えられないです。