憧れの看護婦さん
午後の検診は再びKさんがやって来て、
「聡子じゃなくてごめんね」 と言って血圧を測り、
値が僕の平常値だったのを確認して、
「あたしじゃドキドキしないのかしら」
「そ、そんなことないよ」
と半ば諦めたようなKさんに僕が慰めの言葉を言って
も満足しないKさんだった。
その頃になるともうすっかり落ち着いていた僕はKさん
の黒い下着が白衣の上から透けているのに気が付い
てしまった。
【白衣なのに黒の下着!】
【 いやらしい !!! 】
看護婦さんが前かがみになったり、しゃがんだりする
とはっきりと下着の色や形まで分かってしまうのだ!
【何で透けないように作らないんだろう】
【嬉し過ぎるじゃないか】
【夏服だともっと薄いのかな】
妄想の限りに僕の下半身は聡子さんを通り越してそび
え起ってしまったのだ。
もう退院まで幾日も無かったが、Kさんは相変わらず
艶っぽさを全開にして勤務をしながら僕をからかって
は僕の顔が真っ赤になるのを楽しんでHさんとは違う
タイプの攻撃にタジタジだった。
JCちゃんにもからかわれる位だから、そういう性質なの
だろう。
退院が近くなった頃、聡子さんは僕の所にめったにや
って来なくなり、前日の夕食時、配膳の職員が 「もう食
べたの」 と僕に話し掛けたところに通り掛かり、
「早いし、量食べる」 「この間なんかお昼のスパゲッティ、
こ~んなだったもんね」 と手を使って大盛りの様子を
表現してそのまま行ってしまった。
これが聡子さんと僕の最後になり、 【少しは聡子さん
の印象に残ったかなぁ】 と告白出来ぬまま翌日担当
のHさんと新人の看護婦さんの見送りを受けて退院し
たのだった。 あんなに筋肉フェチ振りを発揮していた
Hさんなのにあっさりと見送られてしまった。
新しい患者に夢中のようだ。
そしてKさんの妖しく強い視線を感じたのは気のせい
だったのだろうか。
結局エッチな看護婦さんは居たと思うのだが、期待し
たハプニングも無く看護婦さんの仕事は大変だと分か
ったことと、男性が憧れを強く持ってしまうことを理解
し再認識出来ただけでも意義のある入院生活だった。
外科病棟は賑やかで患者の入れ替わりも激しく病院な
のに活気にあふれているという表現がぴったりの場所
だった。 何故か聡子さんのこともあって退院を寂しく
思ったが、再び入院することがあったのなら、またこの
病院がいいと思った。
その夜、聡子さんを想い天高く○○してしまったのは
言うまでもない。
この章終わり