僕以外は・・・
座敷もあったのだが一人だったこともあり4席ほどの
カウンターに腰掛けて食事を始めた。
しばらくすると常連とおぼしき中年男性客が僕に
「ニイちゃん、見たこと無いな」
「はい。ここは初めてすから」
「そうか。ゆっくりしていきな」
「・・・」
食事は済ませたがとてもゆっくりとくつろぐことは出来ない
環境なのだがその日の仕事の疲れもあってかカプセルの
中で深い眠りに落ちてしまった。
朝6時を回った頃だろうか目が覚めてカプセルから出ると
そこにはカプセルの料金を払っていない男性客数十名が
戦闘服を着たまま横たわっている異様な光景が広がって
いた。
『これから抗争でもあるのだろうか』
僕が出発の支度をしていると昨夜の中年の男性が、
「ゆっくりできたか?」
【できるわけないだろ!】 とは決して言わず
小さく 「ハイ」 と言ってすごすごと退散を余儀なくされて
しまったのだった。
つづく