もてなしの心 序章
クエスト説明
主城の前庭を掃き清めるアウレリアの姿を見かけたあなたは、彼女に声をかけることにした。どこか心ここにあらず…といった様子のアウレリアは…。
完了条件
アウレリア好感度20 (クエスト達成!)


アウレリア
主城・前庭―

(ザッザッ)
…………。


(花壇の周囲に落ちた花殻や枯れ葉を丁寧に掃き清める。城の玄関口の美観が損なわれていては、
城の主の格を疑われるというものだ。)


アウレリア
…………。
ハァ…。やっぱまずい…ですよねぇ…。


(大きなため息をつき、空を見上げてみる。雲一つない青空は、迷いを抱えた今の気持ちにはまぶしすぎた。
アウレリアはしばし手をとめ、物思いにふけった。)


abuse
あんなこと言って飛び出してきちゃったけど、やっぱり気になります…。


abuse
……? あれは……。


アウレリア
遷都記念の夜会の準備…まだ半分も終わってなかったし、
食糧調達部門の人手不足も深刻…。
ああ…それにこっそり城の裏手で飼っていた猫ちゃんの餌…新人のあの子に任せて大丈夫だったかしら…。


abuse
(何をぶつぶつ言ってるんだろう…)
アウレリア、何をしてるんだい?


アウレリア
ひゃっ! ひゃいっっ!!
ああああ、し、失礼しました! さ、サボってたわけではありませんよッ?
ちょっとだけ、気分転換を…その…。


abuse
はは…別に咎めているわけじゃないよ。
ただ、なんだか元気がなさそうだったから…。


アウレリア
…元気がない…そう見えますか?


abuse
……え? うん、ちょっとね…。
何か心配事? なんなら相談に乗るけど…。


アウレリア
……あっ! いけない、市場に食材を仕入れにいかないと!
領主様、私はこれで失礼いたします!


abuse
あ、ああ。気をつけて…。


(アウレリアは深々とお辞儀をすると、城へ向かって駆け出して行く。
あなたはその後ろ姿を見ながら、どこか不安な気持ちを隠せないでいた…)










もてなしの心 身だしなみ
クエスト説明
未だ眠気の取れない朝、ベッドの上でまどろんでいると、部屋の扉をノックする音が聞こえてくる。あともう少し…生返事をしつつノックの音を無視していると…。
完了条件
アウレリア好感度55 (クエスト達成!)


abuse
主城・私室―

うう…窓の外が明るい…もう朝か…。
昨日も書類仕事で寝るのが遅かったし…もうちょっとだけ…。


(コンコン)


abuse
はいはい…起きてますよ……ぐぅ…。


(ドンドン)


abuse
…………スヤスヤ。


(……ズガンッ!)


abuse
!!! うわっ!!


アウレリア
お早う御座います領主様。そろそろ朝食の時間になりますので、御召替えを…あら?
何をなさってるんです?


abuse
いや…その…扉が…。


アウレリア
あらあら…申し訳ありません。ちょっと力を入れすぎちゃいました♪
後ほど修理しておきますので、さあ、こちらへ…。


abuse
えっ…うん…。
(あの頑丈なドアノブが…)


アウレリア
はい、こちらが本日のお召し物です。
寝間着はこちらのカゴの中に入れておいてくだいませ。 


abuse
ありがとう、それじゃちょっと部屋の外に出ていてくれる?


アウレリア
あの…。お着替えを手伝わなくても大丈夫ですか?
一人でキチンと着られます?


abuse
えっ、も、もちろん大丈夫だって。
ほら、着替えるから外に出ててくれるかい?


アウレリア
……? かしこまりました、何か御用が御座いましたらいつでもお呼びください。
(バタン)


(アウレリアはまだ気にかかる様子で、名残惜しそうに部屋を出ていった…)


abuse
…ふぅ。
グレモア王付のメイド…か。
すごく気が利くし、面倒見がいいんだけど、ちょっと心配性…というか、過剰というか…。


abuse
さ…これで良しと。(ガチャリ)
アウレリア、それじゃあ朝食にしようか?


アウレリア
あら、お早いですね。…んん? もう…襟元が歪んでますよ?
それに御髪もこんなに乱れて…領主たるお方がそのような身だしなみでは、
皆が不安になってしまうではありませんか…。


(アウレリアはため息をつきながらも、丁寧に襟をただし、優しく髪をとかしてくれた。)


アウレリア
……はい、もういいですよ。
では、食堂に参りましょうか?


abuse
うん…ありがとう、アウレリア。
(…なんだろう…すごく安心したな…。そう、まるで……)


(アウレリアがあなたの元へとやってきてから二週間が過ぎていた。初めは戸惑うことも多かったようだが、
さすがは王付のメイドだっただけある。あっという間に仕事の手順をマスターし、
今では城内の多くのものが、彼女に信頼を寄せていた…。)













もてなしの心 敬遠
クエスト説明
支城の監査で補佐官は領地を留守にしている。補佐官の記した予定表を眺めつつ一日のスケジュールを確認していると、アウレリアが執務室を訪れた。なにやら相談があるようだ。
完了条件
アウレリア好感度80 (クエスト達成!)


abuse
執務室―

さて…と。今日の政務のスケジュールは…と。


(補佐官の残していった予定表をめくりながら、一日のスケジュールを確認する。
補佐官はこの一週間ほど、支城の監査に向かっており、戻ってくるにはもうしばらくかかるようだ。)


abuse
ちょっとは羽が伸ばせるかと思ったけど、そういうわけにもいかないか…。


(目の前にうず高く積まれた書類の山を見て、深い溜息をつく。
補佐官が戻ってきた時、予定の量をこなしていなかった時の事を思うと冷や汗を禁じ得なかった。)


abuse
……集中しよう。


アウレリア
(コンコン)
領主様、アウレリアです。少々お時間をいただいてもよろしいでしょうか。


abuse
…アウレリア? どうぞ、入って。


アウレリア
(バタン)
すみません…。お仕事の最中だというのに…。


abuse
ははっ…これから手をつけようとしてた所だから。
それで? 何か用だったんじゃない?


アウレリア
はい…明後日に予定されている、来賓の歓待ですが、、
大変申し訳ありません…。
私、その日はお休みをいただいてもよろしいでしょうか…。


abuse
えっと…確かその日はルナガルデから特使が来るはずだったね。
農作物の品種改良に関する技術提携の為…だったかな。


アウレリア
…………。


abuse
理由…聞いてもいいかな?


アウレリア
……特別な理由があるわけではないのですが。
今はあまり、国の者とは顔を合わせたくないんです。


アウレリア
私…ホントは国を出る時、正式な手続きをしてなくって…。
なんというか…喧嘩同然で出てきちゃったっていうか…。


abuse
喧嘩って…誰と?


アウレリア
それは……陛下、グレモア…王です。


abuse
グレモア王……。えっ…えええっ!?













もてなしの心 誇りにかけて
クエスト説明
アウレリアが国を出た理由、それはグレモア王との喧嘩に原因があるという。王との喧嘩というスケールの大きな話に驚愕するも、詳しく聞けば、事はそう単純なことでもないようだ。
完了条件
アウレリア好感度105 (クエスト達成!)


abuse
執務室―

(グレモア王と喧嘩…。にわかに想像し難いな…。)
アウレリア…差し支えなければ事情を話してくれるかい?


アウレリア
はい…あれは…私が陛下のお側に仕える事になってなってから、しばらく経った時の事でした。
ある日、旧貴族の一人が、私兵を使って領民から掠奪を働いたという事件があったんです。


abuse
旧貴族…。現王の政策でかなりの不満を持っている連中だね…。


アウレリア
別に、貴族の全てが彼らと同じような考えではッ!


abuse
っと、ご、ごめん…。


アウレリア
(ハッ)ああ、いえ! 申し訳ありません…。
その…私の家も元は、貴族だったんです…今はもう、ただの商人になっちゃいましたけど…。


abuse
そうだったのか…。
それで、その旧貴族が起こした事件だけど。


アウレリア
はい…。陛下はその知らせを聞いて、激怒されました。
一族が危急にある時に、私欲のために民の財を奪うなど言語道断…。
貴族などという制度は、もっと早くにとり潰すべきであった…と。


アウレリア
陛下の仰る事も最もです。グレモアの貴族制度は、ルナガルデでの厳しい生活環境には即していません。
誰もが手を取り合わねば、現在の難局を乗り切ることが出来ない事は、
街の子供でさえも理解できるほど自明のことでした。


アウレリア
…ですが、制度改革によって、今までの生活を根底から覆され苦境に陥った貴族たちも少なからずいるのです。
まるで貴族という存在が、悪そのものであるかのようなお言葉に、私は強く憤りました。


abuse
さっきのキミ…みたいにかい?


アウレリア
ふふっ…あれよりもっと…ですよ。


アウレリア
私は、暇を願う手紙を置いて、とるものもとりあえずルナガルデを出ました。
行く先々で多少のトラブルはありましたけど、私もそれなりに剣の心得がありましたから、
こうして領主様の元へ落ち着くまで、なんとかやってこれたわけです。


アウレリア
いま思い返してみると…なぜあれ程陛下の言葉に反発したのか、わかる気がします。
貴族という身分…私はそれ自体には価値を感じていませんでした。
ですが、父や母…祖父や祖母たちは、その立場に相応しい誇りを持って、国のために尽くしてきたんです。


アウレリア
荘園の経営による雇用促進と、農産物の研究…。
寄付金を募っての孤児院や戦災基金の設立…。
決して私欲のためにだけ、貴族の肩書きを利用してきたわけじゃありません。


abuse
アウレリア……。


アウレリア
陛下のお振る舞いやあの時のお言葉…あまりに全てを否定された気がして…。
私、頭がカーッっとなって…。


abuse
……だったら尚更、逃げないでみようよ。
立場に相応しい誇りを持ってさ、キミは今、私のメイド…だろ?


アウレリア
領主様…。
…ふふっ、確かにそう言われればそうですね…。
わかりました、私、精一杯務めを果たしてご覧にいれます!
















もてなしの心 食材選び
クエスト説明
ルナガルデからの特使を招いての晩餐会。あなたはその仕切りをアウレリアに任せることにした。食材を選んでいるとアウレリアは「足りないものがある」と言って市場へ行ってしまった。
完了条件
アウレリア好感度145 (クエスト達成!)


abuse
食料庫―

えーと…補佐官の予定表によれば…。
会談の後、懇親の為に晩餐会…と。


abuse
そうだアウレリア、ルナガルデからの客人だからね、
キミに仕切りを任せてもいいかな?


アウレリア
えっ…よろしいんですか? 私なんかで…。


abuse
もちろんさ、キミの作る料理は城内でも評判なんだよ?
厨房係だって、この前レシピを聞きに来てたじゃないか。


アウレリア
ははは…それほどでもないんですが…。
少々、味にうるさい身内がおりまして…。


abuse
……身内?


アウレリア
ああ、いえ! こっちの話です、こっちの!
あ、ルナガルデから…という事なら、少々足りない食材があるかも…。
私、市場へ買い出しに行ってまいります!


abuse
あっ、アウレリア! ……行っちゃった。
でも足りない食材って一体なんだろう…?


……
…………
………………


アウレリア
商業区・市場―

さて…と。会談は明日だから、今日のうちに仕込みをしておかないといけませんね…。
たしかこっちの方のお店に…。


アウレリア
…あった! おじさん、こちらの品をある分だけ全ていただけますか?


八百屋の主人「ほほう、コイツに目を付けるとは、嬢ちゃんなかなかの目利きだな…。
いいぜ、全部持ってくといい、安くしとくぜ。」


アウレリア
ありがとうございます! ふふっ…きっと驚くこと請け合いです♪


(市場の陰からアウレリアに向けて鋭い視線を投げかける者がいた。
アウレリアはそれに気づく様子もなく、晩餐会に向けて甲斐甲斐しく準備を進めるのだった。)


???「……みつけたぞ…アウレリア。」
















もてなしの心 思わぬ出会い
クエスト説明
食材の調達も終わり、城へと戻ろうとするアウレリアに対して、市場の陰から鋭い視線を投げかける者がいた。そしてついにアウレリアの前に姿を現したのは…。
完了条件
アウレリア好感度160 (クエスト達成!)


アウレリア
商業区・路地―

よい…しょっと。ふぅ…これで全部ですね。
戻って下ごしらえをしておかないと…。


(ヒュッ)


アウレリア
! (パシッ)
むっ、誰です! 人の背後から物を投げるなんて、イタズラにも程が…。


???「勘は鈍ってないようだな、アウレリア。」


(物陰から一人の女が現れた。その服装はアウレリアの着ているものと意匠が似通っており、
頭部の角からもグレモアであることがうかがえた。)


アウレリア
あなたは……どちら様でしたっけ?


???「なっ…きっ貴様っ! 職場の同僚の顔を忘れたのか!?
モルテだ! 貴様と同じ、グレモア王付のメイドの一人だ!!」


アウレリア
…あ! あーあー! 思い出しました、あの料理の腕が壊滅的にダメで、
厨房係からクレームを入れられたモルテさんですねッ!


モルテ「それを言うなァーーーッ! っと、とにかくっ。
ちょいと顔を貸してもらおうか!」


アウレリア
ええっ…でもこれから明日の用意をしなくてはいけないのに…。


モルテ「くくっ…心配はいらないさ。会談の席に貴様の料理が出ることは無い。」


アウレリア
モルテさん…あなたは…。


モルテ「アタシは会談に出席する特使の警護役を仰せつかったのさ。
それで警護の準備の為に先行していたってわけ。しかしアタシも運がいい…。
アンタがこの領地に逃げ込んだとは聞いていたが、こうもあっさり見つけられるとはね…。」


アウレリア
一体何が目的なんです!


モルテ「……着いて来な。アンタに教えてやるよ。
アンタのやった事がどれだけ罪深いかってことをね…。」


アウレリア
(コクッ)……。


abuse
(アウレリアはモルテの後に従って歩き出す…。二人の間に流れる静かな殺気に、
事態を察する事のない通行人でさえも、思わず周囲を見回してしまうほどであった…。)














もてなしの心 激突
クエスト説明
アウレリアをつけ狙っていたのは、かつての同僚モルテだった。アウレリアの行動を王への背信と捉えた彼女は、己の怒りと想いとを思わぬ形でアウレリアにぶつけてきた。
完了条件
アウレリア好感度175 (クエスト達成!)


路地裏―

(路地裏を進んでいくと、行き止まりに出た。そこは四方を家屋に囲まれており、
ちょっとした広場のように使われている空間だった。)


モルテ「さて…ここでいいだろう。アウレリア…あんたが陛下の元を去った理由…。
聞かせてもらおうか?」


アウレリア
わっ…私は…別に…。あれは売り言葉に買い言葉というか…。


モルテ「(ギリッ)アンタがあの時陛下に言った言葉…。なんだったかねぇ。
『貴族もまた民のうち…彼らの存在自体に罪などない…』だっけか?
元貴族のお嬢様の世迷言かと思ったが…思いの外、陛下は気になさってるみたいでさ…。」


アウレリア
グレモア王が…? そんな…。


モルテ「ふざけるなって話だよ…ただの荘園の小作人だったアタシの父親はね…。
クソ貴族に徹底的に搾取されて、ボロ雑巾みたいに捨てられたんだ…!
あんたみたいな甘ちゃんの言葉に、陛下の信念が揺らいでもらっちゃ困るんだよッ!!」


(裂帛の気合と共に、モルテは腰の剣を抜き放つ。その凄まじい剣圧は、
紙一重で避けたはずのアウレリアの外套を切り裂いた。)


アウレリア
くっ…こんな事をしても何も変わらない!
陛下の御心を乱しているのは、あなたみたいに恨みと嫉妬にとりつかれた人々の怨念よ!


(アウレリアもまた、鞘から刃を静かに抜いた。その太刀はさながら肉食獣の牙が
隙間なく敷き詰められたような、凶悪な形状をしている…)


モルテ「…ちっ、それがアンタの得物かい。見た目と違ってずいぶん物騒なものを持ってるじゃないか。」


アウレリア
行きます……!


(二人の影が交差した時、鋭い金属音が鳴り響いた。…たったの一合、その一瞬でモルテの剣は、
まっぷたつにへし折られている。)


モルテ「馬鹿…な…。」


アウレリア
伊達に…陛下の御前で帯刀を許されていたわけではありません。
さあ、モルテさん…本当の事を話してくれませんか?
あなたの剣からは、強い迷い…いえ、悲しみを感じましたもの。


モルテ「うっ…ううっ…。くそっ…なんでなんだよ…アンタばっかり…。
アタシだって…ずっと頑張ってきたんだ…! いつか陛下のお側にお仕えして…。
その志を支えるんだって…。」


アウレリア
モルテさん…。


モルテ「陛下は…アンタの出奔を不問になさるってさ…。
戻りなよ…ルナガルデに。陛下にはアンタみたいなヤツが必要なんだよ…。」


アウレリア
……明日の晩餐の席に、あなたも必ずいらっしゃってください。
きっと、ルナガルデの…いえ、グレモアの未来を信じたくなると思います。


(アウレリアは、地面に膝をついたモルテに手を差し出すと、ゆっくりと引き起こす。
そして彼女の膝についた泥を落とし、髪を整えた後、ハンカチを差し出して微笑んだ。)


アウレリア
さあ、これで涙を拭いてください。…モルテさん、私たちはメイド、仕える者です。
そのように悲しい顔をしていたら、主に恥をかかせてしまいますわ?
では、明日の晩餐会でお会いしましょう。私、精一杯のおもてなしをすると約束いたしますから…。













もてなしの心 心を繋ぐ料理
クエスト説明
いよいよ始まった晩餐会。会談を終えたルナガルデの特使はどこか退屈な様子でテーブルについている。そこへ饗されたアウレリア特製の料理とは…?
完了条件
アウレリア好感度190 (クエスト達成!)


abuse
晩餐の間―

(特使との会談はとりあえず終わったか…。農産物の品種改良に関しては、こちらの方が後発…。
技術提携といっても、先方に見返りが無いせいか、あまり乗り気ではなさそうだったな…。)


アウレリア
領主様…。
そろそろお食事をお運びいたしますね?


abuse
うん、よろしく頼むよ。
だけど…さっき見せてもらった食材、あれは何だい?


アウレリア
ふふっ…秘密です♪


(アウレリアはあなたの傍を離れると、給仕の支度に取り掛かった。
テーブルの向かい側を見ると、特使の退屈な表情と、無表情なメイドの姿が目に付いた。)


アウレリア
…お待たせいたしました。前菜になります。


特使「……。領主殿…これは一体何の冗談ですかな?
この食材は…ルナガルデ近郊に自生する猛毒の芋です。即効性の毒を持ってまして、
我々の農作物研究所でも、品種改良が極めて困難とされている難物ですよ。」


abuse
猛毒…? (アウレリア…キミは一体…)


アウレリア
お待ち下さい領主様、どうか…落ち着いてくださいませ。
この料理は、冗談でお出ししたのでは御座いません。
その証拠に…(パクッ)。


特使「バカなっ…すぐに吐き出させないと…。」


アウレリア
(モグモグ)…ふぅ、心配ご無用です。
さ、領主様もどうぞ。


abuse
あ、ああ…。(バクッ)
……美味しい。


特使「そんなはずがあるかっ…もういいっ、こんな茶番に付き合ってられん!
モルテ、私は部屋に戻る。何か食べるものを後で持ってきてくれ。」


モルテ「…………。」


アウレリア
…………(コクッ)。


モルテ「特使…失礼致します。」
(モルテは特使の皿を手に取り、その上の料理を一口、口に運んだ。)


モルテ「(モグモグ)……! おい…しい。」


特使「なん…だと…。領主殿、これは一体どういう…。」


アウレリア
この根菜は…間違いなくルナガルデに自生しているものと同種の作物です。
ですが、ご覧になったように、まったく毒の成分を含んでおりません。
それは何故か…答えは育った場所です。


特使「場所…? しかし、研究所でも土壌汚染の影響を考慮して、
様々な実験を行ったはずだ…なのになぜ…。」


アウレリア
この作物を無毒化できたのは、領内の"ある特殊な土地"のおかげなんです。
私も猛毒のはずのこの作物が市場で売られているのを見て、とても驚きました。
聞いたところによると、その土地には薬泉が湧いていて、様々な効能を秘めているのだとか…。


アウレリア
特使…グレモアの未来は、一族の者が手を取り合うと同時に、
より広い世界へ目を向ける事が必要だと、強く感じています。
グレモアの、一人の民の言葉として、どうか…心にお留め置きください。


特使「ぐっ…むむう…。」


アウレリア
(モルテさん…これが私の精一杯のおもてなし…。例え国を離れたとしても、
私には出来ることがまだまだありますもの。ですからあなたも…
陛下のお側を、しっかりとお護りくださいね?)


……
…………
………………


abuse
主城・前庭―

ふぁ…昨日はなんだか…肩が凝ったな…。


(予想外の出来事があったものの、晩餐会はつつがなく終了した。
特使は作物を無毒化した土地の調査を希望するとともに、
農作物の品種改良について、より頻繁な技術者の往来を約束して帰っていった。)


abuse
アウレリアは…やっぱりルナガルデに戻りたいんだろうか…。
あ…おーい! アウレリア!


アウレリア
あら…お早う御座います、領主様。
どうなさったんです? そのように慌てて…。


abuse
ははっ…いや、ちょっとね…。
あの…さ。変なことを尋ねるけど…。


アウレリア
……はい?


abuse
……いや、なんでもない。
(彼女が晩餐会で見せてくれた機転…。きっとそれが彼女の答えなんだろう。
いつかはこの場所を去ってしまうのかもしれない。
けれど彼女はいま、自分の出来ることを精一杯やって行くと決めたに違いない。)


アウレリア
ふふっ…おかしな領主様ですね。
そうだ、後でお買い物に付き合って頂けませんか?
応接間に飾る花瓶を新調しようと思いまして、是非ご意見をお聞かせいただきたいのです。


abuse
ああ、いいとも。アウレリアのおもてなしの心ってヤツをご教授願おうかな?
(そう…キミが今ここにいてくれるうちに…)