パトカーのサイレンに嫌な予感がした。
もしかして自分達の事が通報された?
松本と顔を見合わせた。
いやしかしこんな事で警察が来るだろうか?
きっと他に事件があったのかもしれない。
しかし、パトカーのサイレンはだんだんと近づいてきてるような気がした。
もしかして…
松本も同じ事を考えていたようだ。
「 明くん!逃げよう!」
「 うん!」
僕らは慌ててフェンスをよじ登った。
「 別々に逃げよう!何があっても振り向いちゃ駄目!それから私たちの事は絶対に秘密だからね!」
「 わかった!」
僕は情け無いほどガタガタと震えていた。
パトカーのサイレンはどんどん近づいていた。
やっぱり僕らだ。
警察は僕らを捕まえに来たんだ!
僕は自転車にまたがると慌てて走らせた。
ガタガタ震えていた。
どうしようもなく動揺していた。
松本は?
振り向いたら彼女は反対方向に走っていた。
どうかうまく逃げてくれ!
もし、僕らが捕まったら
どうなるんだ?
停学?
それとも退学?
高校進学もできなくなるのか?
僕は全身がガクガク震えるのを止める事が出来なかった。
ペダルがいつものように踏めなかった。
全力で自転車を漕いでるのに全然進んでいないように感じて泣けそうになった。
いつもの交差点を信号無視して渡った。
車が通っていなかったから良かった。
家までがとてつもなく長いように感じた。
パトカーは追ってこなかった。
ひとまず良かった…。
僕は家に着くとこっそりと自分の部屋に戻った。
急いで布団に入っても全身の震えを止める事が出来なかった。
涙が出てきた。
家の人に気づかれないように頭から布団をかぶってワンワン泣いた。
松本はちゃんと逃げれただろうか?
警察に捕まってないだろうか?
もし松本が捕まっていたらどうなるんだ?
きっと警察は僕の家にも来るだろう。
僕も捕まるんだ。
もう終わりだ。
僕の人生も終わるんだ。
あんな事しなければよかった。
僕があんな事をしたから松本まで巻き込んでしまった。
その夜は寝れなかった。
僕は朝まで泣き続けていたのだった。