少し前にBSで大瀧詠一の特集番組を見た。
大瀧詠一の作り出した音楽が好きだ。
大瀧詠一が好きだ。
自分にとって大瀧詠一は日本の音楽界の中では別格の存在だ。
昔から好きだったが、今も好きだ。
朝、起きる時の目覚まし代わりにタイマーを使ってオーディオでかけるCDは「 A long vacation 」だし、
車に乗った時に聴く音楽は3日に一度は大瀧詠一だ。
「 我が心の大瀧詠一」は大瀧詠一にゆかりのあるミュージシャンが歌ったり、盟友である松本隆が思い出を語る中身の濃い内容だった。
氷川きよし さらばシベリア鉄道
BEGIN 恋するカレン
小林旭 熱き心に
小泉今日子 怪盗ルビィ
横山剣 冬のリビエラ
島津亜矢 風立ちぬ
鈴木雅之 夢で逢えたら
薬師丸ひろ子 探偵物語
TARAKO うれしい予感
大瀧詠一 しあわせな結末
大瀧詠一が一躍脚光を浴びたのはアルバム
「 A long vacation 」だった。
このアルバムは300万枚を越える大ヒットを記録した。
大瀧がこのアルバムで目指した音作りは「 音の壁」を作るというやり方だった。
これはフィル スペクターが実践した音作りで、沢山の伴奏者たちに演奏させることによって厚みのある音の壁を作るという方法だった。
大瀧詠一の深みのある繊細な音の秘密に触れたような話だった。
「 A long vacation 」の冒頭を飾るのは名曲
「 君は天然色 」だ
「 くちびるつんと尖らせて、なにか企む表情は、別れの気配を、ポケットに隠していたから 」
「 思い出はモノクローム、色をつけてくれ 」
メロディも抜群にいいが、歌詞も素晴らしい。
まるで目の前に情景が見えるようだ。
しかし、思い出はモノクローム って…
分かるような分からないような
そんな疑問が松本隆の回想でスッキリした。
大瀧がこのアルバムを作る前に、作詞は盟友松本隆でいきたいと伝えると、彼は直前に最愛の妹を亡くしたショックで詞が書ける状態ではない、と断ったという。
大瀧は作詞は松本以外考えられないと、松本が書けるまで待つと言った。
少しずつ心の整理がついた松本は、妹を亡くした時に、東京の街を歩いた時に周りの風景がモノクロに見えた体験を心象風景として詞に反映させた。
思い出はモノクローム、
色を付けてくれ
松本の心の叫びだったのだ
松本隆の詞の世界が好きだ。
大瀧詠一の音が好きだ。
その二人の作り出した音楽は
1+1=2ではない
1+1= 無限大なのだ。
人は二度死ぬ
と誰かが言っていた。
一度は肉体が滅びた時
もう一度はその人を知る人達の記憶からその人が消えた時
もしそうなら
大瀧詠一はずっと生き続ける
僕らの記憶の中で。