3日目
朝食をご馳走になって
タマとご両親にお礼を行って9時頃に出発した
まず山口駅まで出て
そこでザビエル記念館を見たり駅前を散策したりした
山口駅の通りはかなり栄えていて近代的で文化的な印象だった
昼頃に中国自動車道に入ったのだが
それから下関まではアッという間だった
車が本州を越えて九州に入る時はそれこそ二人とも興奮して子供のように大感激だった
「いま、九州に入ったぞ!」
「ばんざ~い!」
「うはは。ばんざ~い!」
国道10号線に入ってからが結構混んでいて別府に着いたのはもう真っ暗になった7時頃だった
それからしばらく走ってやっとタマのお父さんから教えてもらった鉄輪(かんなわ)温泉を発見した
夜なのにいたるところから数えきれないほどの白い湯けむりが見えて
硫黄の匂いにこれぞまさしく温泉地だと感動した
だがお父さんお勧めの「サカエヤ旅館」はなかなか見つからなかった
仕方がないのでもう他のところにしようと話し合った頃にやっと見つけた
安い宿だけにそれほど大きな宿ではなかったが
一泊なんと1800円!
いくら昔だと言っても朝食付きで1800円は信じられない安さだった
安い割には部屋もまあまあで
ストーブもテレビもあってテレビは無料だった
有難い有難い
早速二人で風呂に入った
ちょうど誰も入ってなくてのびのびと温泉につかる事ができた
ここは湯治目的の温泉だ
ということだった
つまり病気した人が治療の為に長い間泊まって温泉に浸かって体調を整える為の宿だ
だから料金も安く設定してあるのだ
もちろん健康な人が泊まってもいい
さあ明日はいよいよ阿蘇山だ
4日目
起きるとあいにく空は雨模様だった
気に入ったので今夜も宿泊の予約をして阿蘇へと旅立った
車を南に走らせて
途中で分かれた道に入り
細い道に入ってだんだんと山の方に近づいて阿蘇山近くまで行った頃
またまた雪が降り出して
チェーンを巻くはめになった
やっと山道を登っていくと
なんと積雪の為に阿蘇山への道が閉鎖になっていた
オーマイガッ~!
あ~なんてことだ
阿蘇山に登りたくて九州までやってきたというのに…
落ち込んでいても仕方がないのでガイドブックを開いて今日の予定を練り直した
結局、臼杵(うすき)の石仏と穂積(ほずみ)の鍾乳洞に行くことにした
雨は憎らしいほど降り続いていた
臼杵の石仏は傘をさして見て回った
岩の崖に掘り出すように作られた何体もの石仏
長い風雪を越えた石仏は雨に濡れていた
でも濡れた石仏になんともいえない情緒を感じた
穂積の鍾乳洞は山の中のどえらい細い道を延々と走った果てにあった
到着したのが夕方の4時頃だということもあったのだがガランとしていてほとんど人がいなかった
ここは日本でも珍しい水中鍾乳洞なんだそうだ
鍾乳洞なんて見るのは初めてだったので
すごく感動してしまった
自然が長い時間をかけて作った造形美はとても繊細で
特にエメラルド色の水の中にある鍾乳洞はなんとも神秘的だった
鍾乳洞から出ると外はすでに暗くなっていた
細い山道をひたすら対向車がこないように二人で祈りながら走った
家から遠く離れた九州だったが今日の宿が決まっているというのはなんと心穏やかな安心感があるものだろう
8時頃に旅館に着いて風呂に向かった
ところが混浴らしくお婆さんが何人も風呂に入っていくではないか
ライアンも自分も
「お婆さんと一緒に風呂に入るのは嫌だなぁ」
ということで一旦部屋に戻って時間が過ぎてからまた行ってみた
すると今度は違うお婆さん達が入っているではないか
仕方ないと諦めて
「失礼しま~す」
と言って二人で前を隠して風呂に入った
お婆さん達の視線を熱く感じたのは気のせいだろうか…
恥ずかしかった~
明日は再びタマの家にお邪魔することに決まって就寝
5日目
8時過ぎに朝食を済ませて会計してもらった
請求書を見て驚いた
二人で6160円
えっ?二泊でだよ?
どういう計算したらこの額になるんだ?
安すぎるじゃないか!
一人一泊1540円?
しかも朝食が付いてだよ
ありえんよな~
間違ってないか~
と二人で首をひねりながら車に乗り込んだ
今日は久しぶりに晴れていい天気だ
国道10号線を上って宇佐神社に寄った
中はやたら広いところだったが特に見どころは無かった
再び国道を走ると中津を過ぎたあたりで
「ロードショー喫茶田園」という名の近代的な作りの喫茶店があったので入った
小ざっぱりとしたセンスのいい店内で片隅にビデオを映す大きなスクリーンがあった
そこで映画を見せているのだ
その時やっていたのはアメリカの古い戦争映画だった
面白い店があるものだ
九州を出て山口に入ると秋芳洞に寄った
これもタマのお父さんのお勧めだった
ちょうど修学旅行の高校生と重なってしまったので急いで見て回った
タマの家で夕食をご馳走になるのは遠慮しようと話し合ったので徳山駅で駅弁とバナナを買って車の中で食べた
タマの家に着いたのは8時頃だった
あれほど積もっていた雪はほとんど消えていた
ライアンとの話し合いで明日は四国に行ってオコシに会おうといっていたので電話を借りた
ところが何度かけても話し中で10時頃にライアンがかけた時にやっと繋がった
明日の夜にでも会えないかという話をしたが
どうも駄目みたいな雰囲気だ
途中から僕に代わって話を聞くと
どうやら学習会が保育園であって帰りが9時頃になってしまいそうだという
「遅くなってしまうからやっぱり駄目だね」
と言うと
「遅くなるのはいいんだけど、ちょっとだけでも会えないかな」
とオコシが言うので
「じゃあ、会おうか 」
ということになって駅前で待ち合わせしようということになった
それで明日の夜7時頃にオコシの家に電話して伝言を聞いてから落ち合うということに決まった
ライアンが話してもまとまらなかったことが
自分が話すとスンナリ決まったことにちょっと優越感を感じた
またオコシに会える
僕にとってはこの旅行で最高のイベントになりそうだ
布団に入ってからも僕はワクワクして
まるで遠足を翌日に控えた子供のような気持ちでなかなか寝つけなかった。