いよいよオコシが来る日になった

彼女は朝の9時頃に名古屋に着くというので
僕はいつもより早めに家を出て大学に向かった

9時半頃に大学に到着した
もしかして既にサークル室にオコシが来ているんじゃないだろうかと思い
急いで学館の階段を登った
だがいたのはコロコロとアンチとチクワだけだった

良かった~
オコシより早く着くことができて

落ち着かない気持ちで待っていると10時ちょっと前にドアをノックする音がした
「はい、どうぞ!」
と声をかけると
恥ずかしそうにドアを開けてオコシが入ってきた

オコシはベージュのワンピースに胸にペンダントを付けて
髪はショートカットでゆるいパーマをかけていた目もとはアイシャドーでメイクしていてとてもきれいになっていた
ニコニコして
「あ~、なんか胸がドキドキしとる。大学に入るのも入りずらくて今も学館の裏から登ってきたんよ」
頬が赤くなっていて可愛かった
「名古屋にはいつ頃着いたの?」
「9時頃に着いた。昨日の夜11時頃に実家を出てきたんよ」
「よく来たね。どっか行きたいところとか、会いたい人とか、やりたいこととかある?」
「え~、別にないけど」
「今からどうしようね?」
「どうしようか?」
「チャリンコのとこでも行こうか?」
「うん、いいよ」
そんな感じでとりあえずチャリンコの下宿に行くことにした

二人で歩きながら下宿に向かった
「まだ胸がドキドキしとる」
「ふふふ。そんなに緊張する?」
「うん」

チャリンコの下宿に着くと丁度チャリンコが友達のノリ子さんと出かけるところだった

突然の来客にチャリンコだけ部屋に戻ってくれることになって
3人でいろいろと話した

保育の仕事場というのは女ばかりで意外と陰険で何かと気苦労が多いんだそうだ
男の人と知り合う機会なんてなかなか無いみたいでいい人なんてできない
と言っていた

昼頃に帰ってきたノリ子さんと4人で大学に戻った
1号館の前で話していると段々と人が集まってきた
ペコ、タゴサク、ボッチ、リッツ、タケ、ゼキ

行ける人を集めてロイヤルホストに昼御飯を食べに行った
僕は道中でアブさんを呼びに行って集まったのは

タゴサク、チャリンコ、ペコ、ノリ子さん、シツレイ、アブさん、ゼキ、スコップだった
みんなでオコシを囲んで会話が盛り上がった

それからサークル室に戻るとミッキーとチョビがいて話が弾んだ
今夜はポテトの下宿でコンパをやることになって
オコシはポテトの下宿に行った

僕はそれまで暇なのでアブさんとジャンケンパートのパート会に出て
夜の8時頃にアブさんと二人でポテトの下宿に行った

既にかなりの料理が出来ていた
作ったのはポテトとペコとオコシだそうだ
え~主役なのにオコシも作ったの?

集まったのはオコシ、ペコ、ポテト、ボッチ、アブさん、火星人、チョビ、ゴキボン、ミッキー、メンチ、オスギ、ピーコ、ショゲ、ボンボン、チッチ、スコップ、ライアン、ジャケイ、パーマン、ジョンソン、アンポンだった
総勢22人という盛大なコンパだった

料理をつついて、ビールを飲んで、歌を歌うという楽しいコンパだった

夜が更けていった

アブさんが突然
「爆弾宣言!」と言いながら僕に向かって
オコシはいま空いているからどーのこーのとか
就職は四国にすればいいとか
ライアン、ボッチ、パーマンまで一緒になって責められた

挙げ句の果てには
今までの恋愛遍歴を語れとか言い出して
僕は身の置き所がなくなってしまった
アブさんは
「この~。カゲで動く影武者!」

まぁ、確かにそうかもしれないけど
そんなに悪者扱いしなくたっていいじゃないか~

みんな少しずつ帰って最終的に夜中の3時頃にお開きになった
オコシはポテトの下宿に泊まることになっているので帰りぎわ握手をして帰った

アブさんの下宿までライアンと3人で歩いて帰った
「あんた、もうオコシに『好きです!』って言えや」
とライアンにさんざん言われた

アブさんがポツリと
「ミッキーいい女になった。オレ、ミッキーにしようかな」
と言ってライアンに向かって
「今度すき焼きパーティーをやってミッキーを呼ぼうぜ」
と言った
もう好きにせいや!

結局寝たのは4時頃だった



朝目が覚めるともう10時だった
パーマンが来てみんなに握り飯を握ってくれた
それをアブさん、ライアン、ジャケイと一緒に食べた

オコシは昼に豊橋まで行ってアメンボに会ってくると言っていた
名古屋に帰って来るのは夜になるだろう

夜まで暇なのでみんなで地域に行ったりライアンの車に乗ってブラブラ遊んでいた
夕食をアブさんの下宿で食べてポテトの下宿にライアンとアブさんと行ったのは夜の9時頃だっ

「アメンボに会ってきた。元気そうだった。豊橋でアメンボとプッチとナーナと待ち合わせして、いろいろと就職の話とかしたんよ」
とオコシが話してくれた
彼女はブルーのタオル地のトレーナーに紺色のジャージ姿でやっぱり可愛かった

しばらくすると、アブさん、ライアン、それにポテトまで消えてしまった

部屋には僕とオコシだけだった
オコシは地域で世話になった鈴木さんに手紙を書いていた

あんにゃろ~
あれほど変なことはするなと言ってたのに…

20分ぐらいしても誰も帰って来なかった
オコシは手紙を書いているので僕はその横で黙って弾けないギターを弾いていた

しばらくするとアブさん、火星人、ライアン、ポテト、タケ、ケーブがやってきた

その夜は昨日とはうって変わって静かな宴会だった
ツマミとお酒を飲みながらシンミリした感じで話をした

僕はなんだか気まずくてずっと聞き役に回っていた

11時を過ぎた頃に市バスの最終便に合わせてポテトの下宿を出た
アブさんとライアンと市バスに乗った

この2日間、オコシが楽しそうにしていた姿が嬉しかった
明日は帰ってしまう

これで良かったのか?
お前はこのままさよならでいいのか?

バスの窓ガラスに映った自分に向かって僕は自問自答を繰り返していた。