そんなことをとりとめもなく考えながら
僕は冬の夜道を歩いていた

寒い夜だった
上着の襟を立てて僕は少しだけ震えていた


さて
今夜は誰のとこに泊めてもらおう

やっぱりヌルヌルのところが一番行き易かった


ヌルヌルの下宿に着いて部屋の窓をノックするとしばらくして彼が顔を出した

「なにしにきたんや」

というので

しばらく黙ってから

「ただいま」

と言うと

「バカ!やっと火星人が帰ったと思ったら…今日こそ一人だと思ったのに!」


とヌルヌルはトホホ顔になった

「ヌルヌル、いつも悪いね」

と言うと
彼はブツブツ文句を言いながらも布団を敷いてくれた

ヌルヌルはしばらくしするとイビキをかいて寝てしまった

僕は寝たふりをしていたが
自分はこれからどうしたらいいのかを真夜中までずっと考えていた


告白すべきか

友達として残された時間を充実したものにすべきか


いつまで考えても答えは出なかった

恋というものは
なんでこんなに厄介なものなんだ
自分の気持ちを相手に伝えたいだけなのに
もしかして相手を傷つけるかもしれないという不安と

何よりも自分が傷つくのが怖いという恐怖

いっそ恋などしなければよかったのに

あのこのことで頭の中がいっぱいという
精神を支配されたような
不安定な感覚

そんな様々なことが
終わらないメビウスの帯のように僕の頭の中をぐるぐると回っていた


少し前に僕の目を見て話してくれたオコシの顔を思い浮かべた時に

くしゅん

とくしゃみが出た



寒い寒い夜だった



そんな感じでその年が終わっていった。