朝から蒸し暑い日だった


庭に咲いた青い朝顔が

咲いたばかりなのにもうぐったりしていた


アブラゼミが
やかましく鳴いていた
その延々と続く合唱が
僕の体から体力を奪っていくような気がした



蒸し暑さで頭から汗が吹きだしていた



縁側に吊るしてある風鈴が

チリ~ン

と涼しげに鳴った


僕は
縁側に面した畳の部屋で横になっている

台所で
トントンとまな板を使う音がする


朝ごはんの支度をしているのだ
味噌汁とアジの焼ける匂いがする


僕は睡魔に誘われながらウトウトと
朝食のメニューを考えていた


味噌汁の具は何だろう?

豆腐かな?

それとも茄子?


海苔と玉子焼きもついたら最高だな…

なんて事をとりとめもなく考えていた




しかし眠たい…


さっき起きたばかりなのに
なんでこんなに眠たいのだろう



僕の頭の上に
白い割烹着が見えた

「ご飯ですよ」


あっ はい



僕は慌てて起きた




しかし…

白い割烹着の人などいなかった



風鈴がまた

チリ~ン

と鳴った


台所に入ると
誰もいなかった
朝食の用意などできていない



家人は
まだみんな寝ていた


チリ~ン

また風鈴が鳴った






そうか…



今日は


お盆だったな








おかえりなさい



お母さん…。