子供の頃の僕は
友達を作るのが下手だった
だから僕はいつも
誰もいなくなった校庭で一人で
遊んでいた
冬の校庭はとても寒くて寂しかった
そんな時に君は現れた
オカッパ頭で
着物を着て
裸足だったけれど
目のクリッとした可愛い女の子だった
「名前はなんていうの?」
と僕が聞いても
君は黙って笑っているだけだった
でもあの日から僕達は友達になったんだ
鬼ごっこをしたり
縄跳びをしたりして
いつも遊んでいた
日が暮れて
「僕もうお家に帰らなくちゃ」
って言うと
君はいつも泣きそうな顔をしたね
いつしか僕には友達ができて
君の事はすっかり忘れてしまった
もう10年も過ぎたある日
同窓会があって
僕は一人だけ学校の校庭に残り
ブランコに乗
っていた
そこに君が突然現れた
君はうれしそうに笑っていたね
君の着物は
すっかり薄汚れてしまっていたけれど
微笑みは
あの時のままだった
僕は君の事をすっかり忘れてしまったのに
君はずっと僕を待っていてくれたんだね
僕は君をそっと抱きしめると
涙が溢れて溢れて…
後は言葉にならなかった
君はそんな僕の髪を
優しく撫でてくれた
きっと僕よりもうんと歳上の女の子
もう君の事は
絶対に忘れないよ…。