映画「サウンド・オブ・ミュージック」は時代を超えた名画で僕自身とても大好きな映画だ
この映画がオーストリアのトラップ家の実話を元にした話である事はあまりにも有名だが
「サウンド・オブ・ミュージック」の前にもう一つの映画が作られていたのをご存知だろうか
先日テレビでその映画を見る事ができた
1956年に西ドイツで作られた映画で
「菩提樹」という
ストーリーは「サウンド・オブ・ミュージック」と同じで
修道女であるマリアに家庭教師の依頼がとある男爵からある
妻に先立たれた男爵の家には7人の子供達がいた
そこで兵隊のような教育を受けている子供達をマリアはもっと自由にのびのびとと育てる
初めは反対していた男爵もマリアの魅力に惹かれて求婚をする
しかし幸せな日は長く続かなかった
戦争によりオーストリアはナチスの手に落ち
トラップ家は全財産を失いアメリカに亡命する
ここまでは「サウンド・オブ・ミュージック」に描かれていた事と同じだが
「菩提樹」にはその続きがあるのだ
トラップ家はアメリカの芸能エージェントに誘われてやってきたのだが
入国管理局で彼等は足止めをくう
エージェントは家族11人もの身元引受に難色を示し
彼等を強制退去させようとする
万策尽きたマリアは最後に入国管理局の中で歌を歌う
トラップ家の美しい歌声に入国管理局にいた人達は次第に集まり
最後は拍手喝采となり
それを見たエージェントは改めて契約を申し出る
トラップ家はアメリカ巡業の旅に出て温かい拍手で迎えられる
「菩提樹」には
「ドレミの歌」も「エーデルワイス」もでてこない
これらは「サウンド・オブ・ミュージック」の為に作られた歌だからだ
しかし難局を乗り越えたマリア達を更なる苦悩の日々が待っていた
「菩提樹」にはその続編がある
「続・菩提樹」1958年に同じく西ドイツで作られた
これはアメリカでどのようにマリア達が生き抜いていったかを描いたものだった
初めは多くの観客に拍手で受け入れられたトラップ家だったが
地方巡業を重ねていくと観客が集まらない厳しい現実にぶち当たる
時には12人しかいない観客を相手に歌う事もあった
讃美歌がいくら美しくても観客はそれでは満足しなかったのだ
やがてエージェントから契約破棄を通告される
一家がアメリカで生き残っていく為にはどうすればいいのか
マリアは苦悩する
地方巡業の途中
ある田舎町でオーストリアに似た風景を見つけマリアは心を奪われる
廃屋になった家を見つけ自分達の家にしたいと思う
寄り道した為に開演時間を20分も遅れて舞台に立ち
準備できないうちに幕が開いてしまった
慌てたマリアを見て観客が笑いだした
この時マリアにあるアイデアが閃めいた
マリアは観客に向かってこう言った
「私達は歌手ではありません。私達は家の中で家族で歌ってパーティーを開きます。あなた方はパーティーにお呼びしたお客様です。今夜は私達家族の歌声をお聴きください」
会場は盛大な拍手とあふれんばかりの笑顔に包まれた
聖歌の合間にマリアはギターを手にとりアメリカの歌である
「オー・スザンナ」を歌った
観客はいままでにない盛り上がりを見せて舞台は大成功を収めた
窮地をとっさの機転で乗り切り
アメリカで成功する為の鍵を見つける事ができたのだった
これを機にトラップ家は聖歌を歌うだけの堅苦しい舞台ではなくアットホームな歌声を聴かせる家族コーラスとして旅の先々で成功を収めていったのだった
家族を襲う様々な困難を前向きな生き方と歌声で乗り越えてきたマリア達に
見終わったあと胸がいっぱいになったのだった。