今日、小さな箱が届いた。

ギリシャの島からである。
差出人は悪友の代表者。

中を想像してみた。
「むむ・・・・」

この小ささは?
もしかして?
嫌、疑いはもはやない!

小さな箱を前にして
なんじゃかんじゃと
思念する我が身よりも
先に、猫の「あ」は
スンスンスンスンされた。

まずは一服とコーヒーを
煎れ煙を出す。

「よ~し」

と、箱を開ける。

「やっぱ~やぱやっぱ~」

小さな箱の小さな底面に
デンっとある白い石。

何重にもおられた紙。

「キヤヤヤヤヤッホ~」
小さな紙にめーいっぱい記された
メッセージ。(でかいでかいABC・・)

小さな石を摘むとぷ~んと
潮の海の匂いがした。

洗わずに入れたみたいである。


アテネの部屋にあった石石石・・
盗石の癖のある事を悪友たちは
よ~く知っていた。
(今は油屋の部屋の至る所にある)

海や遺跡の石をいつもしこたま
持って返ってきていたのである。

(**川の石は手にも触れずにである。
気がたまっている気がして
傍には絶対におかないのである。)

ギリシャを離れてこの夏で4年。

もういい加減究極限界状態である。
が、なかなかに足を出せないのである。

そのせいか悪友たちは毎夏
忘れもしないでコチョっと
悪戯を届けてくる。

心の底では今年でこの悪戯は
最後かもしれない・・・と
おびえているのだが。

それぞれの生活のなかに
刻まれていく思いを
とっくりに存知のように
白い石はエゲオの海の匂いを
プンプンさせている。