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イナバウアである。

隣人からもらったチューリッパさんは、
大いに咲いた。

花びらをこー
ベランチョッとのけぞらして、
咲きまくった。

1日に何度も何度も開いたり閉じたり
大忙しで咲いていた。

あまりの開閉のすごさに
痛々しくなった。
確実に開閉の度に分厚い花びらは
傷んでいた。

「もーええよ!」

慈愛の言葉を掛けまくった。
何度も何度も・・・掛けた。

が、チューリッパさんは咲いた。
大いに咲いた。
で、今まで以上に開閉を繰り返した。


朝、煎れ立てのコーヒーのカップを
花の近くに置いたら・・・・
コーヒーの湯気でイナバウアであった。

・・・まじ!?

チューリッパさんは、
コーヒーの湯気で
大全開されていた。


花は生きている。

凄い迫力で咲いている。

そして、
花は語った。

「こーよ!ベロンチョ~!!」

花は咲く。
咲くために咲く。