・・・ぴちゃん。

水の音が好きである。



その雫は水面をやさしく打ちつける。

一瞬.。その雫は受け入れられ、それの反動で波紋を産む。

その過程に存在する音。

そしてその波打つ水面には透明な気泡が何重にも重なる。

やはり透明なのだがそこには厚みがある。

きっと他の物には例えられない。



空気が弾ける。涼しさを感じさせるディティール。メロディー。

壊れる瞬間。そこには不安と快楽が共存している。

アンチテーゼを感じる瞬間。



規則正しく滴り、打ち付けるベース音。

そのリズムはまるで流れるようななめらかさで脈を打つ。

早すぎず、それでも風のような心地よさでそれは頭の中で鳴り響く。



突如、乾いたギター音が入り込む。

景色が変わる。


その音はうねりに変化し全体をさらに深い階層に持っていく。



いつしか単純な水の音はリズミカルにベース音に絡みついていく。



揺れる声は当然のように水に光を与えさらに変化をくわえる。

クリアな色が反射していく。きれいな世界。

それは違和感を感じさせず流れ動く。色が変わる。



投げ入れる。

一つ一つの水の音がはっきりと聞こえる。


跳ねる。

光が映える。飛沫が美しい。



世界を見渡す。

答えはそこには見つからない。


水はいつの間にかすぐそこまで迫り、自分を飲み込んでいく。

響く音は鈍さを増す。不思議と息苦しさは存在していない。

その世界は深く、自分の存在さえも疑いを持つ。

受け入れる瞬間。

アンチテーゼはその形を進化させて純粋に戻る。

新しい世界。


むせあがる。



一気に空気が流れ込む。

全体が膨張し、更なる階層へと進む。



今までの音はすべてが一体となり、頭の中を響かせる。

身体はその流れにまかせ、広い世界を泳ぐ。


その世界の広さに涙が出る。理由は分からない。

答えを求め、探す。泳ぐ。



見つけた答えは世界の美しさ。


しかしその答えはまたいつしかアンチテーゼを産みだす。

そして進化し繰り返す世界。


それが本当の答え。


その瞬間、ゆっくりと音はフェードアウトしていく。

世界もゆっくり消えていく。



無くなった世界。音。


自分だけがそこにいることに気づく。

そうして自分という存在を見つめなおす。

世界の存在。自分の価値。価値観。立ち位置。



なにか浄化されたようなすがすがしい気分。





そしてまた世界を求めて、歩みを始める。




物語は繰り返す・・・





















・・・そんな唄なんだぜ。(俺的に)ww