社長から
「先生、明日、現場に来てくれないか」
次の日
私は現場に向かいました
(因みに、当時の私の年齢は30前後、社長はバリバリの50半ばです、施工する工務店は社長との付き合いの長い地元の工務店、監督はだいたい40代)
そこには、社長と、顔を真っ赤にした監督が
そして
リビングには、養生シートがめくられ真っ白で綺麗な大理石が既に8割ほど敷きつめられていました
社長
「先生、だいたいの話は監督から聞いたで」
「この大理石は先生が了解の上、指示したんか」
私
「はい、私が承認し、監督に指示しました」
社長
「そうか、、、監督!先程、言った様に直ぐに張り替えの手配、してくれ!」
監督
「、、、、」
社長
「はよ、行き!」
監督は今にも泣き出しそうな顔で工事中のリビングから出て行きました
社長
「そんな訳や」
私
「、、、申し訳ありません」
社長
「先生、わかってるか?」
私
「はい、、、、、」
社長
「いや、わかってない!」
私
「、、、、」
社長
「先生は、また、今、張り替えるのに費用がいくらかかるのか考えてるんやないか?」
、、、、
「先生の仕事はそんなもんやない、オーナーのワシと同じ尺度で、ワシが求めている事を汲み取って仕事せなあかん」
「予算や工期は監督に任せたらエエ」
「ワシが満足する建物を考えるのが先生の仕事や」
「違うか!」
社長の言葉が
グサリ!グサリ!と
私に刺さりました
社長
「それとな」
社長は少しニコニコしながら
「今後、予算と工期は心配するな、と、先生から監督に説明しておいてな」