今日も、草取りと草刈り。でも日中は家にひきこもりでした。
最近、夜8時ころ田んぼへ向かうと、隣宅の夫婦もホタルを見に道まで出てきて、ばったり行きあうことがあります。暗闇なので最初はお互いドキッとしますが、昔の話を聞くちょっとしたチャンスです。
このおじさんも、昔は麦わらでホタルを入れる虫かごを編んだとか。鎌倉でも聞いたことがあり、割とどこでもやっていたコトなのでしょう。昔は、今とは比べモノにならないくらい、多忙な農とくらしだったはずですが、そういった楽しみは手間をかけてやるんですね。昔の話を聞くたびに、今の自分が横着人間だといつも思います。
さて、ホタルは昔(15年くらい前?)はすぐに捕まえられるくらいたくさん飛んでいたけれど、今は数えるほどしかいなくなっています。しかし、ホタルだけでなく、いろんな虫、例えば蚊さえも少なくなっているそうです。昔は、飛ぶ音が聞こえるほど蚊が多く、青草を燃やして(いぶして)、その煙で蚊よけしたそうです。タバコの葉の乾燥作業しながらとか。そういえば今ここらでは、蚊取り線香もたいして使わなくてもどうにかなります。
そして、ハチやチョウなども少なくなっていて、スイカやきゅうりといった、農作物の受粉にも影響が出てきているそうです。
虫も動植物も、数も種類も減っている。この生態系の機能衰退は、さまざまな要因が絡んでいて、きっと、その中でも人為のしめる割合が高いのでしょう。昔は、日本の人里周辺のほとんどの場所では、人々の営みによって維持された環境(毎年田んぼに水をはるとか、手作業の範囲の畑を維持するとか、土手の草を刈り家畜にやるとか、山の木を伐るとか、落ち葉を集めるとか、下肥えを畑にかえすとか)の下に生態系が成り立ち、そして、そこから人が恩恵を受けるという、本物の共生関係ができていたのだと思います。だから、この生態系が回復するには、農薬を使わないでいさえすればよいということではなく、人々の日々のくらし全体を見直さなければならず、容易なことではないと思われます。ただ、少なくとも人々はこの豊かな環境から恩恵を受けて生存していることには変わりなくて、まずはそれを現代人(自分も含めて)はもっと自覚しないといけないと思います。日本の食糧(食料)自給率が上がればそれでOKではなく、火力や原子力から自然エネルギーに切り替えればこれでOKというわけでもなく、エコ車に変えればよしというわけでもなく・・・ この工業化された現代農業の実態を見ていると(そして、いくら機械化されても国内自給できない現状)、なんだか怖くなってきます。