新型コロナウイルスの影響で開幕を延期しているプロ野球は、オンラインで12球団代表者会議を行い、今季の交流戦全108試合中止し、6月以降の開幕を目指すことを決めた。交流戦中止は05年の導入以降16年目で初。新たな開幕日は交流戦後のリーグ戦再開予定日だった6月19日を軸に調整を進めるとみられる。

 

 「選手のコンディションを考えても5月中に行うことは断念せざるを得ない。試合数(143)もある程度削減せざるを得ない。その中で日本シリーズまでの日程を考慮して、セ・パ交流戦の開催を今年は見送らざるを得ないという結論になった。無観客試合も視野にあり、感染状況をにらみながら段階的に入場制限を緩和していくプランもある。開幕からの無観客試合に『みんなで話している段階ではない。ただ状況が状況。私としてはそういうことも否定できない。最悪、お客さんが入らない状況でもテレビ、ネットで配信され、みなさんが元気になっていただけたらいいなという考えはある』と異例の措置を示唆した。(コミッショナー)

 

 

 

交流戦18試合を引いた最大125試合実施を目標とする一方、その場合は当初交流戦が予定されていた時期にリーグ戦を組み込む必要が生じる。理想は6月上旬の開幕だが、感染状況の劇的な改善が大前提・・・現実的には交流戦明け開幕を調整していく可能性が高い。「6・19」開幕であれば、CSを中止した場合、120試合程度の公式戦実施が可能とみられる。短縮を含めてCS開催の場合は120試合を割り込む可能性もある。コミッショナーは無観客試合も視野に入れているが、「6・19」以降にずれ込めば試合数のさらなる削減は避けられない。2か月後の開幕実現へ、ウイルスの終息を願いながら備えを進める。

 

 

開幕できたとしても、レギュラーシーズンの試合数削減は必至で、選手の年俸問題や、開幕後に阪神のように選手から新型コロナ感染者が出た場合の対応などクリアせねばならない問題は多い。愛知医科大学の教授は・・・

 

「開幕後にチーム感染者が出ることはあり得る。できるだけ起こらない方がいいが、もし起きたときにどう対応すべきかを今から考えておくべきだ。たとえば、レギュラーが2人ほど感染した。ベンチ内なので、他選手への濃厚接触の可能性がある。1軍の仮に半分に陽性者が出た場合、どれくらいチーム全体を休ませるのか。相手チームとの関連もあり、日程調整をどうするのか。2軍でカバーするのかなどいろんなケースが考えられる。たとえば、巨人―阪神の3連戦で、どちらかのチームがそうなって試合ができなくなったときの対応についても考えておく必要がある。我々に第3の意義が課せられたたと感じている。それは社会に対する責任。スポーツ界が社会に対する責任を果たさねばいけない

 

つまり、プロ野球には、新型コロナの脅威にさらされ、あらゆるイベントが自粛を余儀なくされている中、どう安全を担保してイベントを再開するのかという旗振り役と、停滞した社会のムードを打ち破る役割、新型コロナからのピークアウトを世に知らしめる役割がある。人々のストレスを解消し、勇気や安らぎを与える。スポーツ文化としての使命がプロ野球にはある。