日本高野連が 新型コロナウイルス の感染拡大を受け、 甲子園球場 で 8月10日 に開幕予定だった 第102回全国選手権大会 の 中止 を大会の運営委員会を開いて決定した(理事会で正式決定)。今春の選抜大会も史上初めて 中止 されており、甲子園大会が春夏とも開かれないのは戦時中を除けば初。
全国の新規感染者数は大幅な減少傾向にあるが、大会には全国からの生徒の移動や宿舎での長期間の集団生活が避けられず、感染リスクが高いことが開催断念の大きな要因になったとみられる。また、政府の 緊急事態宣言 を受けて部活動を再開できる時期が不透明な地域もあり、49代表校を決める地方大会を選手権大会開幕までに全て終えるのは難しい状況になっていた。
戦争による 中止 をはさんで 甲子園大会 は3回目の 中止 。 新型コロナウイルス の国内感染者数は減少傾向にあり、 「まだ2カ月以上ある。こんなに早く決めなくても」 と選手に同情する声は多い。3年生はセンバツも夏も経験できないまま卒業していく。 あまりにも気の毒すぎる。 「(緊急事態宣言の)解除は、これ以上延長すれば経済が立ちゆかなくなるから。感染を押さえ込むという観点からすれば、まだレッドゾーン。球児にはかわいそうだが、全国大会の開催が難しいのは当たり前。休校が明けても、そこから段階的にやっていくことになる。夏休みや期末考査の予定もまちまちの中で、大会には間に合わない」 という声も少なくない。 確かに コロナ の 第2波 、 第3波 の攻撃を仕掛けてくるかわからない恐ろしさ、甲子園への移動、最長3週間に及ぶ宿舎での集団生活を考えると 中止 もやむを得ないところもあるのだが・・・。
スポーツライターは 「高野連は主役である球児たちの声を聞かず、大人たちだけで決定してしまうという印象 。全国大会を 中止 して地方大会は各都道府県の高野連に任せるというのであれば、もはや全国組織としての責任放棄であり、失望感しかない」 と指摘した。
高校3年生はさぞ無念・・・。春も夏も夢の舞台が消滅する上、春の県大会を準々決勝まで開催した沖縄以外、今年は1試合も公式戦を経験できていない。 特に地方の高校生は無念だろう。例えば岩手県はいまだに感染者ゼロ。県内限定で練習試合も行われている。全国的には通常通りの練習が可能な地域もある。 あるプロ球団のスカウトがこう言う。
「こうなると、地方の大学生、高校生の判断が難しくなる。大学の場合は各リーグ、高校の場合は各県ごとのレベルが大都市圏より落ちることが多いからです。地方で活躍している選手の場合、甲子園などの全国大会で通用するかをチェックする必要がある。それがなくなれば、どうしても、地方の大学、高校生はリストに入れられなくなります」
甲子園 が 中止 になり、地方の高校3年生がプロにアピールする機会は消滅。スカウトは、 「仮に行われたとしても、スカウトが首都圏より足を運びづらい地方の中堅校がしわ寄せが食う。こういうところにも磨けば光る原石がいて、甲子園の大舞台で才能が花開くケースもある。ただ、春も夏も中止になった今年はどう考えても、このレベルの選手を発掘できない」 と指摘する。
夏の甲子園大会が 中止 になった場合の経済的損失が 約672億円 になるとの試算。春のセンバツの中止による損失額 (約290億円) と合わせると実に 1000億円 に迫る。 その 「経済波及効果」 を受ける球場周辺のホテルや飲食店などは大きな痛手を被る。 甲子園球場 から程近いホテルヒューイット甲子園の支配人は、 「高校球児や高校野球を楽しみにされていた方々にとっては本当に気の毒です。我々もセンバツとプロ野球の延期に加え、夏の大会もなくなれば死活問題です」 と話す。同ホテルは甲子園期間中ともなると予約を取ることすら困難だが、外国人観光客の大幅減やUSJなどの近隣レジャー施設の休業もあり、まさに 「トリプルショック」
甲子園 に出場するような強豪校の多くは学校の宣伝戦略の一環として、全国から特待生や奨学生をかき集めるなど多くの負担によりチームを強化している。 甲子園 に出場すればNHKなどの全国中継を通じて、一気に学校の名前が売れる。
ただでさえ、インターハイの 中止 によって各運動部が打撃を受ける中、甲子園大会もなくなれば、いわゆる 「スポーツ学校」 は全く恩恵を受けられない。
「 甲子園 に出場すれば、応援団の宿泊費、交通費などで多くの資金が必要になるが、学校としては寄付金を募れるし、野球部も応援グッズなどの臨時収入が入る。 甲子園 の 中止 は部の運営にも影響しかねない」 とは、さる強豪校の野球部長。
そんな中、 甲子園 の開催実現を訴える署名運動が行われていた。 「球児たちの思いを伝えることが目的。(開催可否を)決められる方には、後ろ向きにならず、一歩前を踏むような形をとってもらえれば」 と話し、 甲子園 中止 が死活問題になっている人たちの声は高野連にもう届かないのか・・・・・・・。
夏の甲子園の開催可否についてアンケートを実施したところ・・・
「結論をもう少し先送りすべき 」
「3年間頑張ってきた3年生のために、地方大会だけでいいからやらせてあげたい 」
「予選が難しいのであれば、春の選抜学校をそのまま夏にするのもアリかと 」
「全国の学校自体が通常授業を行えてない点や、何十人もの球児を県を跨いで移動させ、1つのホテルに泊まらせた場合の球児達の安全性や、逆に球児達がクラスター化する危険性等、それらを考えたら夏の開催は現実的ではない 」
「 学校自体の休校も長引き、他の高校スポーツの大会に中止が出ている状況で、高校野球だけが特別扱いされるのは疑問 」
「もし春夏中止になったら本当に3年にとってはかわいそうな一年 」
「子どもたちの心のケアと決定権のある方々には最善の道を模索していただきたい 」
「仮に中止にするなら、せめて来年は既卒1年目の選手を特例で出場可能にできないだろうか? 」
「望む選手には翌年の甲子園へオーバーエイジで出場を認める 」
「ギリギリまで日程を先送りして8月に地方大会は開催してほしい。各都道府県の優勝校の選手に来年以降に甲子園練習の機会を設けることなどができれば 」
「11~12月頃に京セラドームで全国大会を開催できないか 」
「せめて秋以降に無観客でもいいからやってほしい 」
「秋にインターハイをやって、その1種目として会場を甲子園でやる 」
「甲子園はぜひやってほしい。プロ野球に6月開幕に動いてます。夏の野外のスポーツができなければ、今後他のスポーツは何もできない 」