個人投資家はいかに金融資産を守るか
このブログを見ている人は、実際に投資をしている人、あるいはこれから投資を始めようとしている人が多いのではないでしょうか。
そうなると、やはり気になるのが、「自分が投資している資産は、これからどうなるのか」ということだと思います。
もちろん、人によって考え方はさまざまです。
「自分はつみたてNISAで長期投資をしているから、短期的な株価の動きは一切気にしない」という人もいるでしょう。
一方で、「これから株価の大暴落が起こるのではないか」と心配している人もいると思います。
反対に、「株価は長期的には上がり続ける。日経平均も将来的には20万円、30万円まで上昇する」という見方をする人もいます。
私個人の考えを言えば、日経平均には、それくらいまで上昇するポテンシャルはあると思っています。
ただし、それには一つ重要な条件があると考えています。
それは、日本経済が今よりも自立していくことです。
日本株は本当に日本人のための市場なのか
現在、日本の個人投資家の中には、日本株だけではなく、米国株や全世界株式などに投資している人がかなり多くいます。
NISAの普及によって、この傾向はさらに強くなっているように感じます。
一方で、日本株については海外投資家の存在感が非常に大きくなっています。
つまり、日本人が海外の株式市場に投資し、海外の投資家が日本の株式市場に投資する。
これはグローバル化した現在では当然のことなのですが、ここには一つ気になるところがあります。
それは、日本株の値動きが、日本国内の経済だけでは決まらないということです。
特に大きな影響を与えるのがアメリカ経済です。
アメリカの株価が大きく下落すれば、それに連動する形で日本株も売られることがあります。
また、海外投資家が日本株を保有している場合、世界的にリスクを取れない状況になれば、日本株を売却して資金を引き上げるということも考えられます。
そう考えると、日本株が上昇するためには、日本経済そのものの成長だけではなく、世界経済、特にアメリカ経済の状況も大きく関係していると言えるでしょう。
日経平均は7万円を超えた
実際、2026年の日経平均は大きく上昇しました。
6月には月間終値で初めて7万円を超え、6月25日には72,366円34銭まで上昇しています。
しかし、その後は調整局面に入り、9月には6万円台前半まで下落する場面もありました。
こうした動きを見ていると、株価というものは、上昇するときも一気に上昇し、その後に大きな調整が入ることがあるということを改めて感じます。
だからこそ、個人投資家にとって重要なのは、「株価がこれから上がるのか、下がるのか」を当てることだけではないと思います。
むしろ重要なのは、「どちらに動いても、自分の資産を守れる状態にしておくこと」ではないでしょうか。
アメリカ経済に依存する日本経済
現在の世界経済を考えるうえで、アメリカの存在を無視することはできません。
アメリカ経済が好調で、企業業績も好調で、株式市場も上昇している。
このような状況であれば、日本株にも資金が流れ込みやすくなります。
しかし、反対にアメリカ経済が大きく減速すれば、世界の金融市場にも影響が及ぶ可能性があります。
日本企業の中にもアメリカ市場との関係が深い企業は多くあります。
さらに、日本の株式市場には海外投資家から多くの資金が入っています。
そのため、世界的にリスク回避の動きが強くなれば、日本株も影響を受ける可能性があります。
私はここを個人投資家として注意しておきたいと思っています。
アメリカは自国経済を守ろうとしている
近年のアメリカを見ていると、自国の産業や雇用を守るために、関税政策や国内投資の促進などを積極的に行っています。
2025年7月の日米合意では、日本から米国への5,500億ドル規模の投資イニシアティブが打ち出されました。米国側はエネルギー、半導体、重要鉱物、医薬品などの分野への投資を掲げています。
また、2025年の日米交渉では、日本からの輸入品に対する相互関税を「上乗せなし」で15%とすることや、自動車・同部品についても15%とすることなどが合意されています。
もちろん、これらの政策については、「アメリカ経済を強くするための政策だ」という見方もあれば、「他国との貿易摩擦を強める可能性がある」という見方もあります。
私がここで考えたいのは、どちらが正しいのかということではありません。
重要なのは、アメリカ自身が、自国経済を守るためにかなり積極的な政策を取っているということです。
もし日本が同じことをできたら?
ここで、私は一つ考えてしまいます。
もし日本が、アメリカが行っているように、自国の産業や企業をもっと有利な条件で支援し、海外から巨額の投資を呼び込み、日本企業の成長を強力に後押しすることができたら、日本経済はどうなるのでしょうか。
日本には、世界で競争できる技術や企業がまだたくさんあります。
自動車、半導体関連、工作機械、素材、ロボット、精密機器、そして、これからのAIやデータセンター関連。
日本が持っている潜在能力は、決して小さくないと思います。
だからこそ私は、日経平均20万円、30万円という数字も、単なる夢物語だとは思っていません。
もちろん、実際にそこまで上昇するかどうかは誰にも分かりません。
しかし、日本企業の利益や生産性が長期的に大きく成長し、日本経済そのものが強くなっていけば、株価が現在よりはるかに高い水準になる可能性は十分にあると思っています。
しかし、最大の問題は「アメリカ発の危機」
一方で、個人投資家として忘れてはいけないのが、世界経済の大きな変化です。
アメリカ経済は世界経済に非常に大きな影響力を持っています。
そのため、もしアメリカ経済に大きな問題が発生すれば、その影響は日本にもやってきます。
株式市場だけではありません。
為替、債券、金、暗号資産、そして世界各国の金融システム。
さまざまな市場が影響を受けることになるでしょう。
特に私が気になっているのが、米ドルに対する世界の信頼です。
現在の国際金融システムでは、米ドルが非常に大きな役割を果たしています。
しかし、もしアメリカが自国経済を正常な状態に戻すことができず、財政やインフレなどへの不信感が世界的に強まっていけば、
「本当に米ドルだけに頼っていて大丈夫なのか?」という問題が出てくる可能性があります。
そうなれば、世界は米ドル以外の資産や決済手段をさらに模索することになるかもしれません。
金、ユーロ、人民元、そして暗号資産などです。
これはすぐに起こるという話ではありません。
しかし、金融資産を守るということを考えるなら、こうした可能性についても頭の片隅に置いておく必要があると思います。
個人投資家はどうすればいいのか
では、私たち個人投資家はどうすればいいのでしょうか。
私は、「暴落を予測すること」よりも、「暴落が起きても耐えられる資産構成にしておくこと」のほうが重要だと思っています。
株式だけに集中する、米国株だけに集中する、日本株だけに集中する、現金だけを持つ。
これらには、それぞれメリットとデメリットがあります。
だからこそ、「何が起きるか分からないからこそ、資産を分散しておく」という考え方が重要になるのではないでしょうか。
株価が上がれば株式が資産を増やしてくれる。
株価が下がれば現金や債券などがクッションになる。
インフレになれば、株式や金などの実物資産が意味を持つ。
そして、世界の金融システムそのものが大きく変化したときにも、一つの資産だけに依存していなければ、その影響を少し抑えることができます。
資産を守るということ
投資というと、「どの株を買えば儲かるのか」「どの投資信託が上がるのか」という話になりがちです。
しかし、50代からの資産運用を考えるなら、私はそれだけでは不十分だと思っています。
むしろ、「どうすれば自分の金融資産を大きく減らさずに済むのか」という視点が重要なのではないでしょうか。
これから株価が上昇するかもしれません。
反対に、大きな暴落が起きるかもしれません。
アメリカ経済がさらに成長するかもしれません。
あるいは、世界の金融システムそのものが変化していくかもしれません。
未来のことは誰にも分かりません。
だからこそ私は、未来を当てようとするよりも、「どんな未来になっても、ある程度対応できる資産を持っておく」
ことを意識したいと思っています。
投資で一番大切なのは、もしかすると「大きく儲けること」ではなく、「長く市場に残り続けること」なのかもしれません。
ここまでご覧いただきありがとうございました。



