シャワーの彼女 |   サテアン

  サテアン

   ~Welcome to my サテアン~




宿に戻ると、僕は決まって足を洗う

タイではサンダル履きで足が汚れるからだ



一昨日は夜中の2時に戻った

にぎやかなホステル通りの中でここだけ静まり返ったホステル



2階から各階に共同シャワーが2つずつある



僕が泊まる4階まで静かに上がってくると、この階だけ共同シャワーの一つを使う音が聞こえた



"こんな時間まで起きてる人いるんだ"



僕はその隣に並ぶもう一つのシャワーを使って足を洗う



そのたった2、3分のタイミングでシャワーの人は部屋に戻って行った



跡を追うように僕も部屋へ戻る



その人は僕の向かいのベッドで寝る(たぶん)ジャパレディだった





昨日は更に遅く、3時に戻った



今夜も静まり返った宿の中で4階に近づくと、また昨日と同じ場所からだけシャワーの音が聞こえた



"こんな時間まで起きてる人いるんだ"



そして昨日と同じように、隣にあるもう一つのシャワーで足を洗う



測ったように、隣のシャワーは僕が足を洗っているたった2,3分のタイミングでシャワーを終えて部屋に戻って行った



今日もシャワーの人は向かいの彼女だ





今日はなんか遊び飽きて21時に戻った



足を洗いたいけどシャワーはbusyだろうか・・・

(少なくとも、シャワーの彼女よりは早いだろう)



そう思って宿に戻ると、意外にもここの宿のゲストたちはおやすみが早かった



エントレンスは既にロックされ、部屋も消灯されてファンの音だけがゴーンゴーン鳴っている



その中で一ヵ所だけ人の活動する音が・・・



いつものシャワー室だ



なぜだかわからないが、僕は確信した



"彼女だ!"



"彼女はシャワーを終えてもう戻ってくる"



本物の直感は、疑うことのない確信を合わせ持つ



石鹸を取りに一瞬自分のベッドへ戻った間に、彼女はシャワーを終えて帰ってきた



僕は入れ違うように暗い部屋を出た・・・






なんか



僕は決してあなたの跡をつけて帰ってきたわけじゃないからね、、



4日続いたら嫌なので、僕は明日ここを出ます






1時間ほど寝ただろうか



今、宿のテラスで一人ビールを飲んでいる



周りのゲストハウスはまだまだにぎやかだ



ここのゲストはおやすみが早いな



僕のおやすみも今日で終わりだ



明日からは待ちに待った仕事に戻ろう




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