魚屋「魚眞」の代表は、見習いに入ったお笑い芸人・川田広樹に、作業はまだ仕事でない、さらに半歩踏み込んだところが仕事になると教える。その半歩先とは、美味しいものを食べさせたいとの一途で工夫を重ねること。客がどんなふうに歓ぶか、それを想像しながらやる仕事は楽しい。面白くないのは仕事じゃないと。

加世井  眞次


これは8/14の朝日新聞朝刊の折々のことばからの抜粋です。


ああ、自分のやり方は間違っていないと心を強くしました。

仕事で毎回30人前後のお昼ご飯を提供します。

毎回自分との闘いです。

職場の上の人間は「30人分提供するっていっても、要は段取りでしょ」と言い放ったがそれは違う。
あなたが一度やってみるといい。

食事を提供するのは『なんとか美味しいものを召し上がっていただきたい』この一念に尽きます。

ただ提供すればいいってものじゃないんです。

毎回毎回分刻み、秒刻みで文字通り時間との闘いでもあります。

いちどきに全員の食事を手配しなければならないため、盛り付けを綺麗にすることを優先しながら出来るだけ温かい料理を提供したい。

その一念です。

味噌汁の具材の出汁の浸透具合、味噌の分量、濃さなど何回も味見をします。

濃いと具材の良さが死ぬのでなるべく薄味にします。

約一升お米を炊きますが炊き上がった炊飯器を開けるのは毎回ドキドキします。

決して慣れません。
そして「この位は大丈夫だろう」と気のゆるみがあるとすべてに影響します。
緊張感のない時は美味しく出来ません。

毎回が修行です。

汗水流しながら「心を込めて作っています」。


それはわたしの誇りでもあります。