これは悲劇の物語なんかではなくて。



最低だと言いまくってはいるモノの、

あたし自身も負けず劣らず最低で。




どうしようもないろくでなしのオッサンに、

どうしようもないバカ女が引っかかり。


ズルズルと引きずり続けた挙げ句に、

色々積み重なって、ココロが不健全な方向に突き進んだ。



平たく言ってしまうと、それだけのコトなのだとも分かっている。






泥臭いマンガやドラマのような展開を齎す出来事ではなくて。


もちろん、お兄は宣言通り自殺を遂げたワケではない。



あたしは「半年前くらいに心臓発作で亡くなったって聞いた」と、

聞いただけで。



何の現実味も帯びない、ただただ

ぼんやりとした感覚だけで、この2~3日を過ごしている。




たぶん、あたしは「バカ」と言いたかったのだと思う。


もちろん、それはもう憎しみの感情ではない。



間違えるはずはない、その場所に。



あのヒトとあのヒトの両親、先祖が埋没されているはずの、その場所に。


まったく知らない苗字の墓石が建立されていて。



周囲を見渡しても、あのヒトの苗字は見当たらなくて。





やっぱり、現実味を帯びないまま。





あのヒトがあの頃、必死に守ろうとしていたお墓は、もうここにはない。



ただそれだけが事実で。




あたしは想像の世界だけで、ぼんやりと残念な気分になった。











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