まばたきもせずに、見開かれた瞳は、
斜め上の天井を睨みつけていた。

苦しそうな呼吸は、頻繁に一時的に止まった。

呼吸が止まっている間、イヤな思いが頭を過ぎるのは、あたしだけじゃなかっただろう。

このまま永遠に止まってしまうんじゃないだろうかと。

看護師さんは言った。
『藤堂さん、息しましょうね』と。

なんだか、あたしはそれがただ痛かった。


見開かれた瞳があたしの方を向いた。

視線が交わった、気がした。

だけど、それは気のせいなのだと、一瞬で分かった。

その瞳があたしを映し出してはいないのだと。


あたしは酷く後悔をした。

ろくに話をしなかったコト、

ろくに目を合わせなかったコト。


話したくなかったワケじゃない。


何を話していいのか、

どうやって話していいのか。

ただ、話し方が分からなかっただけだ。


ただ、伝えたかったのは

『ゴメンなさい』



『ありがとう』


何度大声で叫んでも足りないはずなのに、
あたしは呟くコトすらできなかった。