ONKYOのジャンクスピーカーを久々に聴ける状態へ引っ張り出してきたので、ついでにバスレフポートの特性を測ってみました。中高域の漏れ量はどのくらいのものか。

 

ポートの影響を計測するには、ウーファー/ポートともに、近接場での擬似無響測定を行います。

時間窓は5msのBlackman、それにBlendingとすることで、相当に正確なデータが採れます。

 

さらに、ポートを実測する際にはウーファーやトゥイーターの中高域がマイクロフォンで拾われないように、フェルトで遮蔽を行いました。もともと、距離の自乗からくる音圧差で影響は軽微ですがこれで一段と外部影響をリジェクトできました。

 

採れたデータを見てみます。

 

 

レッド線はポートからの音圧、

ブルー線はウーファーダイアフラムからの音圧を示しています。

 

このONKYOの漏れ量は、Dynaudioのあるモデルよりは低く、B&Wのあるモデルよりは少し高いというレベル(いけね、実名出しちゃった)

前回示したStereophileの某モデルらよりは、ややマシに見えます。

 

ただ少し気になるのは、そうしたハイエンド系モデルは(配慮されているからか、)1kHzより上の帯域はばっさり漏れなくなるのに対して、このONKYOはそれより高い帯域までダラダラと出てしまっているという所です。これには、ONKYOの2wayクロスオーバーが4kHzとごく高い事も反映しているかもしれません。

同じ理由で、フルレンジをバスレフ型にすると相当量の中高域がポートから滲み出していると想像できます。当然ながらバックローデッドホーンもまたしかり(もっと酷い)です。

 

このONKYO D-072は私流の表現をすると、ものすごく「バスレフ臭い」音がします。

ポートノイズ測定手法は次回以降検討してみるとしても、試しにFb周辺であろう60Hzのサイン波をぶち込んでみました。音量を上げていくと、バヒバヒとポートノイズらしき音質の変質が聴かれました。これなのか〜?