KENWOOD LS-11ESを骨までしゃぶりつくすシリーズ〜
あいかわらず「ネタ」な記事ですみません。。。
セットアップ完了
ファストン端子も、目の回るくらい/何十個もカシメていると、1個くらいは失敗するものです。
・・・と思っていたら、12発、ひとつも歪ませずに取付できました。
で、
KENWOOD LS-11ES、新クロスオーバーと共に結線セットアップ完成~です。
音出しできるぞ。
マルチアンプでもないのに、周りはケーブルまみれです。
Andromedaの結線を外して、こちらへ繋ぎました。Andromedaの裏へ回って、面倒なんだ、コレが・・・。
ということは、KENWOODを屠り終わらない限りは、AndromedaもminiDSPもしばらくおあずけ という事ですよね。
実は、計測する前からガマンできず音を聴いちゃっているのですよね。早速、視聴から行ってみましょう!
視聴で悶絶
一聴、驚きます。ちょっと、想定外。
えええええええええ? これ、本当にあのLS-11ESなの??
う、ウッソだろおぉおおおお?
あのダメゴミ ジャンクスピーカーから、こんな音がするわけがない。
あの先日聴いたKENWOODの音質とは完っ全に別物です。
同一ドライバーを使っている音とは到底、思えない。。。
以下、以前書いた感想文を引用しつつ・・・
・・・f特どおりの音。という印象です。
あまり”良い音”という印象は持てないですね~ ゴメンなさい。
とにかくいい音です。全然普通に音楽鑑賞できてしまいます。げんなりしない。
限界がはっきりしている音質だと思います。
これはそうかも知れません。ただ、限界点がさほど気にならなくなった?
美点が大きいわけではないが、気になる弱点や癖が減って無個性に近づいたのだと思います。
3Dステージは・・・無いですね。まず定位はボーヨーとしていて鮮明さがない。広大な空間も現れません。スケールは小さい。ボワーンとスピーカーの周りになにかが広がっているだけ。でも・・・音色は良いんです。音場型ではなく、音像型・・・でも無いな。
まず、ステージ感に驚きました。
完全にクール系の高分解能音場型じゃないか。
抜けと音離れがよく、スピーカーの存在を完全無視して音像が鮮明に立ちますし、前後左右にステージが拡がります。まったく違和感がありません。
Andromedaの圧倒的スケール感は無いのですが、キレイにステージが整っています。
音色で聴かせるタイプ?特にこのスコーカー。味があって良い、気に入りました。
音質には癖や着色を感じます。「いかにも」オーディオの音、スピーカーからの音という感じ。
「いかにもオーディオの音」から一歩、脱却しました。楽器の音、声の音、そして収録の音。スピーカーから出てる感じの少ない音になりました。特に中域より上がいいですね。闊達として活き活きとしかし自然な空気感で鳴ります。剛性が高く超軽量なウーファーの特質が活きた生命感のある中域だと思います。このウーファー、ウーファーとしては失格なのですが中低域を任せるミッドバスとしてはなかなか素性のよいものに思いました。欲を言えば、、、もう少し電磁制動力が欲しいかな。(つまり高級品ではない)
低域はf特どおりで、少し寂しいです。低音「感」ならもちろんしっかり有りますが、ローエンドの沈み込みなどは感じられません。やっぱり50Hzどまりの音だし量もやや不足と思います。低域の透明感、スピード、分解能、隈取、音階、量感すべてに不満があります。
低域がね。驚くほどしっかり聴こえるようになったんですよ。
吸音材と補強桟の他には箱やドライバーをいじっていないから、気のせいだとは思います(下限が伸びる要素がない)が、余り不足感、不満感のない低域に変わって聴こえます。中域から上の品位が上がったせいなのかな?
高域も、口径が小さくて素材が良いということで期待があったんですが、そんなでも? 味付け程度の使い方なのかな?
センモニのようなシャキシャキした明瞭さがあるわけでなし、ダイヤトーン的なシャープな切れ込み感もなく、AMTやAccutonのような高解像度もありません。
あと高域ですね。
凄く変わりました。鮮明で高分解能で。「国産感」は否めないのですが、ハイエンドの伸び感を感じます。補償が巧くいったのかな。この最高域があるからこそ、3Dステージ感も全然違って聴こえたのだと推定します。
一聴、クール高分解能系でしたが、クール一辺倒ではなく。ソースによっては熱気のような表現も巧く出してくれて、これは中々イイ。少し聴いただけで嫌になってくるスピーカーが多いなか、これは楽しんで聴けます。
一見、べた褒めですが、もちろん欠点もあります。
ファーストインプレッションが良くて大興奮するも、だんだん冷静になってアラ探しを始める。長時間聴いていれば、だんだんと気になる部分が鼻についてきます。完全なる無個性/全くのノンカラーレーションというわけでも無いみたい。AlphaやGammaに比べると、、、やっぱり色づけは感じる。
特に気になるのは、やはり中低域。160Hzより下あたりかな。ソースによってはドンスコ、ブーブー、特定の音調が気になりはじめる。低域の透明度が足りず、ぼん付いたりバタ臭くなってしまう。箱鳴りの部分と、バスレフ”ならでは”の部分が苦手。ウーファーの共振Qも高すぎるんだよ。以前よりかなり良くなってはいるんですけどね。後日、吸音材ぎゅうぎゅうの密閉としLTすれば少しは印象変わるかしらん?
それと最高域も気になる。伸びと透明感は上がったんですが、少しイガイガするような....? 人工臭が香る場合がある。圧倒的なナチュラルというのとは違う。
<追記>
音楽を聞いていると分からないが、映画やアニメのダイアログを聴いていると、ダイアログも若干イガイガする。この特徴もAndromedaにはないもの。これも最高域が影響したこのスピーカーの個性(欠陥)だと思う。
(クロスオーバーの大きさに比較すると、LS-11ESが10cmのミニスピーカーに見えてきますね)
大した期待も抱かずに聴いた、新・パッシヴクロスオーバーでしたが、これ、なかなかいいわぁ~。
クロスオーバーの重要性再認識です。場合によってはドライバーと同等か、またはそれ以上の音質インパクトを持つ、それがクロスオーバー。今回の投資は商品の元値に比較して超・アンバランスですし、投資対効果という意味でもビミョウではありますが、投資しただけの音質差はありました。とにかく、別物です。
ではでは、最終特性がどうなったかも見ておきましょう。
チューニング後の実測特性
まずはインピーダンス特性から。
あれあれ!
16kHzで3Ω切ってる!(笑)
これはヤバイですねえ。シミュレーション通りとも言います。が何か対策しておいた方がいいかな。
最初からこのトゥイーターちょっとオカシイ/怪しいんですね。
全体的に、強烈無比な補償のあとが見てとれる、そんなカーヴにはなっています。
次に、10msec.でのファーフィールド。10msec.だから、やや反射は拾っています。
1/48th oct.のスムーシング。
おおおお・・・!? 立派な方だろ、これなら。元の暴れ馬を思えばね。
1/12th oct.のスムーシングにて。(低域はブレンド)
いや。。。。これ。。。。整ったでしょ~、十分に。立派ですわ、これなら。
200Hz~16kHz間で、±3dBって感じ。満足です。
しかもこれ、VituixCAD上でのSIMとそっくりのカタチなんです。一生懸命SIMしたかいがありましたね。
元の暴れ馬がどれほど整ったのか?
改造前のLS-11ESの元特性と比較すると面白いと思います。
桃色が改造前の特性です。 →ブルーが改良後。新Xover。
元の特徴もすこし残りつつ、しかし全体的に均されています。
いかに強く補償しているか、ハッキリ判る比較図と思います。
そりゃ、これだけ派手に変えれば:
・高域が伸びたように聴こえる し
・低域も伸びたかのように感じる し
・自然な感じに聴こえる
でしょうよ。もちろん音圧周波数特性だけが全てでは無いですけどね。大前提でスタートラインではある。
ラウドスピーカーの音圧レベルというのは付け足すことはできず、削る方向にしか動かせないから、多いところで-10dBは削って均した事になりますね。でも、不思議と低能率かつ鈍い音になった感じは無いです。むしろ、凄く細かい音をよく拾うようになったと感じます。
最後に、いたずらでXbassもクロスさせて聴いてみました。
これやっちゃうと、正直チートですから。。。
一層立派な音が出てきました。安物のドライバー、安物のラウドスピーカーも頑張ってチューンすればここまでは行けるぞ っていう。
結果には満足したので、2~3日はバラさずこのまま聴いてみようかなと思います。
(つづく)