これまで、有響室でのPCを用いた疑似無響計測は、いくつかのソフトウェアを渡り歩いてきました。
2018年~からは Dayton AudioのOmniMicを利用してきました。
これは今まで本当によく役立ってくれました。
何が良かったって、簡便なところ。easyなところ。
それまでの計測環境に比べると圧倒的に面倒臭さが無いのです。
マイクを設置してつないで、それで測るだけ。
それと、易しい。理解しやすい。アマチュアでも障壁が低い。
その分、少し突っ込んだ解析は苦手だったりしましたが、弱点を補ってあまりあるほど簡便だった。計測する億劫さが無いのです。注意すれば、再現性も良かったです。
ずっとこのままDayton Audioでも良かったのですが・・・。
思い切ってREWへ移行することにしました。
REW = Room EQ Wizard、今のところ完全なフリーウェアです。フリーウェアではあるが、寄付は歓迎という形式になっています。
これに引っ越しする理由の大きなひとつは、miniDSPとの相性がよいところ。
これで生成した計測結果からFIRフィルターの生成してminiDSPインポートまでの流れが標準化されているからです。
REWは何でもアリの有名なソフトウェアですが、私はひとつ勘違いをしていました。
それは、REWには疑似無響計測がないと勝手に思い込んでいた。
しかし勉強していくうち、以下のシーケンスでファーフィールドの疑似無響が問題なくできると分かりました。
・ ファーフィールドでいつものように周波数/位相計測する。
・ →そこからの逆算で擬似インパルス応答が求まっている。
・ →そのインパルス応答上で時間窓を再設定できる。(かなりキメ細かく)
これが出来るのであれば、REWに引っ越ししない理由は無いです。
なので、DSP408→MiniDSP乗り換えと機を同じくして乗り換えようと言うわけ。
Daytonは測りっぱなしのままでどんどん窓を移動したり、計測条件を変えられた。これに対し、REWは「測った後に窓を変える」とシーケンスが逆になるので、使い勝手はDaytonより少し落ちるのかもしれません。
Daytonは良くできていたが、少々ソフトが古臭く(笑)Win98時代の香りがします。古いエンジニアが作った感じがある。それにソフトがバックグラウンドにいったん沈むと、フォアグラウンドに戻して来れないなどのクセ(不具合)もあった。その点、REWはすこし専門的な/エンジニアリング的な香りのするUIではあるものの、新しくなった感じはします。また、技術的な制約が少なく、さらに突っ込んだ解析ができそう。
・・・となってくると、今回のマイクロフォンをどうするのかが課題です。
標準的なソリューションとしては、ソフトの他に較正データ付きマイクロフォンと、USBオーディオインターフェースが必要となります。
大昔に買ったECM8000や、それの較正テーブルつきマイクなら持ってる。でもいかんせん古いし・・・。EARTHWORKS辺りの良いのでも買うか? マニュアルを探っていると、USBマイクと書いてある。そういえば純正もUSBマイク。USBマイクだと・・・? もしかして、OmniMicがそのまんま使えるのではないか?
ってことで、繋いでみた(笑)
反応あり~ (笑)ディテクトされたぞ
準備しておいたomniMicの較正テーブルも、まんま読み込めた~
信号応答あり~
黒線は、このマイクロフォンの較正カーヴです。
可視化されたのを見たのは初めて。この程度の揺らぎなのね。較正しなくてもギリギリ実用くらいの精度は持ってます。
・・・ということで、新たにマイクを準備する必要は無くなりました。
当面はOmniMicを併用しながら計測を行っていきます。投資ばっかりなので、少しでも従来資源が使えるのは助かります。
スイープ信号の出力にはUSBオーディオI/Fが必要ですが、無線(AirPlay)で飛ばせば不要です。というかオーディオI/Fは持ってるけど有線繋ぐなんてかったるくてやってられない。
REWを用いた計測はまた何処かで記事にするかも?です。