(注: これは7年前の製作記です)

 

【測定編】

こちらのスピーカーの測定は、条件的に困難を極めます。

 

床から測定点が近くなるので、どんなに時間窓を短く採っても、床からの一次反射をリジェクトできないからです。

          (バッフルは約8度傾斜しているが焼石に水) 

つまり、擬似無響の計測は無理。

だったら、普通のブックシェルフやミニみたいに、床から持ち上げて計測すればいいじゃん。そのとおり。

ただ、こちらのスピーカーはどのみち床に近いこれが使用条件になるということと、床からの低域輻射を想定して設計しています。だから床から離して測定するのもまた意味のない行為になってしまいます。

 

無理を承知で床から持ち上げず、テレビ台のままで測定を実施。

Ver-III の2wayバージョンのみを示します。

 

Andromedaの整いに比べると、いかに暴れているのか分かりますね。

 

でも、仕方がないんです。妥協した設計で、床に近いとこんなもんです。

 

ブルー線が、5msecの窓かけをした、左右スピーカーのもの。

レッド線が、UltimateMicroSubを加えた、総合特性です。

f特のドタバタはともかくとして、ローエンドの鬼伸びだけはお分かりいただけるかと思います。とてもマイクロスピーカーのソレではありません。

 

この小ささでは、究極のワイドレンジ」を狙った”Ultimate”。たった7リッターの箱でこのf特を実現。ドンパチ系映画の視聴にも大きな不満はありません。ウルトラワイド、明晰なダイアログ、それでいて長時間のテレビ鑑賞にも疲れない、無難な音質が出ています。「ワイドレンジはパワーに弱い」の話題、思い出してみてください。このシステムはまるっきり音量が出せません。少しボリュームをあげると途端に破綻。ですがそういうときはメインスピーカーの出番です。

 

Tangbandは好きだし、たま~にドライバーとっかえひっかえします。しかし大概は2wayのバージョンで聴いています。やっぱり私は、フルレンジも好きだけど、マルチウェの方がより好きみたい。

 

 


【ご予算編】

トータルでいくら掛かったのでしょう。かなり面倒くさいですが、当時の資料やpurchase記録を片っ端から掘って厳密に計算してみました。

 

 

総制作費*  ¥85,301 

  * 2016当時の円レートにて

  * マイクロサブウーファー含む

 

サブウーファー抜きでも7万円弱かな? 世のサラウンドセットや、ウーファーつきサウンドバーに比べてもかなり高くついちゃいましたよね(汗    ^ ^;;

それでも、市販品では望めない見た目、機能性、音質、シンデレラフィットなど、その対価には満足しています。

 

ところで円は少し落ち着いてきましたが、パーツも当時よりかなり値上げしています。今作ったら15万円はくだらないです。...と分かれば絶対に作らなかっただろう。DIY環境としても厳しい時代となりました...。

 

 

TVスピーカー制作編、これにて終了します。古い話にお付き合いいだだきありがとうございます。