ぴあでも1・2位を争う名作らしいが,行く機会がないままようやく行くことができた。
時は東京タワーが建設中の昭和33年。
高度成長と戦争をまだ引きずっている時代。
右肩上がりの成長が続き人々の生活も豊かになる明るい時代。
典型的な下町風情で日本人としてほのぼのと感じる2時間だった。

なぜ,今「三丁目の夕日」なのだろう。
当時の技術の象徴である東京タワーが,目立たなくなるほどのビルやマンションの乱立。
地域コミュニケが崩れ,それぞれがバラバラになり好き勝手なことをする日本人。
そして景気低迷で目標を見いだせない日本人。

「今は小さな工場でも,自動車はやがて基幹産業となって,うちも大きなビルの会社になる」
鈴木オートの社長が言った言葉だが,このような夢を再び日本人がもてるようにという
脚本や監督の願いもあるのだろう。

皮肉にも,子どもたちが襲われたり偽装マンションなど社会的不安定になってきたため,
地域の活動が盛んになってきている。
とき,新東京タワーの建設も計画されているという。

経済発展の陰で犠牲にされた日本人の心が再び復興できればと感じた。

主婦役の薬師丸ひろ子はすっかり役にはまっており,
子役も自然な演技でこの作品を引き立てたと思う。