absent1944のブログ

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大人への階段は、言葉への階段かもしれない。

ある日を境にして、思ってもみなかった言葉が、自分の口から放たれる時がくる、男はその時の為に満月まで待つ。女はその満月に雲がものすごいスピードで流れてゆくのを見る、灰色の影と漆黒の影がある、どちらかを選べ。

心が未熟な者はそのスピードに追い付けないだろう、なぜなら、言いよどむからだ、おまえの血が欲しい、とはっきり言えば、濃くなる息があるのに、言いよどんでしまったばっかりに、夜の早すぎた桜のごとく、凍りつくだけだ。男が知らない間に、女の方が欲情に満ちる、目を伏せていると、瞳の光の変化にも気がつかない、女が待っている言葉にも気がつかない。

いいさ、言葉なんか、本能がその時大きな音を立てる。

血が欲しいと言っただろうが・・・女の一番やわらかいところはどこだろう?花よりも薄い色をして、血が透けて見えるところは?そこに牙を突き立てるだけだ、血をすすりたいんじゃないんだ、湧き上がる血のにおいがたまらなく好きなんだよ、だから抱きしめることができるんだよ。

男の目が赤くなるのを見とどけた女は、男の背中に爪を背中に立てる、すでに毛が逆立って、肉が硬く盛り上がっている、爪はナイフになって深く差し込まれ、溶岩が流れるように、切り裂かれてゆく、この時の男の悲鳴ほど楽しいものはない、苦しまぎれに差し込まれた舌を、女の舌がヘビのようにからめとる。

どうしてほしいのさ?言ってごらんよ、さあ、言ってごらん、これ以上どうしてほしいのさ!

男は思ってもみなかった言葉を、そのとき口にする・・・お祝いをしよう、夜が明けるまで、俺の肉が萎えるまで。