明日は、医療センター(旧八雲病院)のシーティングの日です。

 

 八雲町に病院があった時は、夏場3時間移動シーティング9時から17時まで、それから3時間かけて札幌に戻ると言ったとてもハードな作業でした。

 冬場は3時間ではなくて4時間を見なければならない移動でしたし、路面は日によって不気味に氷によるテカリのとても危険な移動でした。

 流石に、冬場は八雲シーティングの終盤には八雲町で一泊をお願いしておりましたので、少し楽になりましたが、それなりに自分にとって頑張らなければとの想いの一大イベントでした。

 

 だんだん年をとってくると、今年の5月で72歳になりました。(笑)

 シーティング当日は、周辺の日の作業量を減らしコンデションを整えているので、以前と変わりなく作業している様に見える様に元気な振りをしていますが、以前は通常の仕事をこなしつつ、こんな大変なことをしていたかと思うと・・・考え深いものがあります。

 

 医療センターで実施しているシーティングは、いわゆる従来のシーティング対応では満足行く効果を得られないことから、八雲時代に当時の院長さんをはじめとして、私が提唱してきたABSに関心をもたれました。

 直接対応するコメディカルスタッフによる従来手法とABSの比較検証を受けて、(何やら上から目線の評価するって感じかな?)そんなことを経て現在はほとんどすべてをABSの考え方と対応手法で実施されています。

 ただ最近になってSMAは違うという様なことを言い始めているんですが、臨床家が、それを実施して理論化するには彼らの職業人生をかけた30年程かかることを理解しているのかな?元祖臨床家の私が言うことです。それが、どれほど大変なことであって、覚悟をもって当たらなければならないこと、そして、それらは社会的評価を受けにくいことであることに・・・・・気づいているのかなぁ~?勿論覚悟をもってすることならば、出来る限りではあるけど、助力はするけれどね

 

 とは、言いつつも地味ではあるもののABSも深化をしてきているのですが、見慣れた理論と手法と油断していては、その変化を感じられなくなることもあるものです。

 また、コメディカルの中には、ABSを我こそがが主体となり方法論としてのABSを評価して、その実践をして来て、何を勘違いしているのか理論提唱者だとの考えも芽生えてきてしまうこともある様です。

 

 ABSの元祖提唱者としては、この現状はどうなんだろうと?思うことも多いのですが、彼らの若さと言うか?彼らの妄想の世界で元気と言うか??

 そんな現状の中で、月一の作業を進めている様な状態です。

 

 作業を見ていると、今後の医療センターのシーティングで必要な物、しかし、現実の製品として実現できていないものの姿を想像し、私的に設計段階まで来ているものもありますが、現場を牛耳るコメディカルが「西村さん何とかなりませんか?」と、相談してくれないと、西村が暴走していると言われるだけですので、今のところ静観しているしかありません。なんとも、寂しいものです。

 

 私は八雲の時は、少なくとも強い動機をもっていたし、ファイトしていたのですが、今は自宅で、愛知の名城大向けのABSの重度そして、強い姿勢変形をもつ人への理論、具体的方法論のマニュアル作成を重点的にしています。

 このマニュアルは、コメディカル向けでは無くて、どちらかと言うと業者さん向けでまとめています。何故かと言うと、コメディカルが何と言おうと、シーティングで起こることは良き事でも悪き事でも、人と環境要素としての車いすや姿勢保持いすの間で物理現象として起きることなのですからね・・・・魔法があればよいのですが・・

 いすに出来ることはとても限られているけど、いすに出来ることに真摯に向き合い最善をつくすことが大切です。(にしむら)